2014年1月31日金曜日

【つむじ風】13号 「本当のことは○○の中にある」

今さらですが、一月も終わりなので・・・






すみません!でも、でも、この漫画が素敵なのよー。若いのにスゴイの。そんなトヨカワチエ画伯のホームページは、こちら。パワーアップすること、間違いなし!

http://toyokawachie.com/

パワフルな彼女の漫画が読める冊子が、俳句誌『俳句鼎 妙』。隔月で発行されている。

毎回、表紙のデザインを担当してくれているのが、絵描き・葛西晋也。彼の仕事は職人技で、センスにおいてはこの辺では群を抜いていると私は思う。が、blogはけっこう間抜けなことを書いているので、肩の力を抜きたい時など覗いてみては?また、彼のマニアックぶりや、仕事っぷりも見ることが出来る。

http://s.ameblo.jp/sinya78364/

一応、私は俳号・小田桐妙女で妙の代表となっているが、ただの纏め役である。俳句というジャンルに囚われず、それぞれが自分の得意分野で活躍できる、坐、でありたいなと思っている。

本当のことは歌の中にある
大好きなシンガーソングライター・斉藤和義の歌の歌詞である。「歌」の部分はそれぞれが持っていると思う。私は、それがたまたま「俳句」だっただけ。

俳句も、愉しいよ!

(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2014年1月27日月曜日

【越境するサル】No.123「藤岡利充、酒井充子、そしてヤン ヨンヒ~上映会への誘い~」(2014.01.26発行)




「harappa映画館」第17回(2/22)は、「ドキュメンタリー最前線2014~東アジア最前線─日本、台湾、北朝鮮~」と題して、話題のドキュメンタリー映画3本を特集する。そして「harappa映画館」第18回(3/15)は、「故郷とは、家族とは―ヤン ヨンヒ監督特集」と題して、2012年のさまざまな映画賞を獲得した『かぞくのくに』のヤン ヨンヒ監督の映画2本とトーク。会場は、どちらも弘前中三8階「スペース・アストロ」。

上映される作品は、第17回(2/22)が『映画「立候補」』(2013 藤岡利充)・『台湾アイデンティティ』(2013 酒井充子)・『ディア・ピョンヤン』(2005 ヤン ヨンヒ)の3本。第18回(3/15)が『愛しきソナ』(2009 ヤン ヨンヒ)・『かぞくのくに』(2012 ヤン ヨンヒ)の2本。

「藤岡利充、酒井充子、そしてヤン ヨンヒ~上映会への誘い~」

2月22日「ドキュメンタリー最前線2014~東アジア最前線─日本、台湾、北朝鮮~」の3本は、「東アジア」と銘打ってはいるが、どれも日本と日本人について考えさせる作品である。

『映画「立候補」』は、2011年11月の大阪府知事・市長ダブル選挙に立候補した「泡沫候補」と呼ばれる人々に密着したドキュメンタリー。羽柴誠三秀吉、外山恒一、マック赤坂…300万円の供託金が没収されても、彼らはなぜ立候補し続けるのか。「夢を見ている人を追って力をもらえたらと思って始めた」と語る藤岡利充監督が、彼らの「負けることがわかっている」戦いを追う。

『映画「立候補」』は、2013年6月29日から東京・ポレポレ東中野で公開され、立ち見を含め満席の状態が続いたため深夜の追加上映まで行われた。その後、ポレポレ東中野でのロングラン上映、全国各地での一般公開・自主上映と、衰えることを知らぬ勢いが続いている。



『台湾アイデンティティ』は、2009年に公開された酒井充子監督『台湾人生』の続編である。『台湾人生』は、「harappa映画館」第6回「ドキュメンタリー最前線」(2010/3/21~22)で上映され(※注)、その際酒井充子監督のトークも行われた。監督の次回作である本作を上映することは、私たち「harappa映画館」スタッフにとっていわば「約束」であり「宿題」であった…
   1895(明治28)年から1945(昭和20)年までの51年間日本の統治下にあった台湾には、日本語による教育を受けた「日本語世代」と呼ばれる人々が存在する。そのことへの素直な驚きから作られたのが『台湾人生』だが、『台湾アイデンティティ』では彼らの<アイデンティティ>に迫る。6人の登場人物が語る、戒厳令下「白色テロ」の時代。「かつて日本人だった人たち」の人生、家族の物語は、私たち「日本人」の心を揺さぶる。2013年7月6日から東京・ポレポレ東中野で公開。



 『ディア・ピョンヤン』は、大阪生まれの在日コリアン2世ヤン ヨンヒの監督第1作。朝鮮総連活動家の父と母にカメラを向け、10年にわたって家族を記録し続けたこの作品は、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2005」でアジア千波万波部門特別賞を受賞した。
   両親は朝鮮総連の幹部として一生を「祖国」に捧げ、3人の兄たちは帰還事業で北朝鮮に「帰国」してピョンヤンで暮らす。なぜ両親は息子たちを帰国させたのか?なぜここまで祖国に忠誠を尽くすのか?北朝鮮に対する疑問、父との葛藤、そして和解に至る家族の物語は、一編の叙事詩のようだ…


3月15日「故郷とは、家族とは―ヤン ヨンヒ監督特集」の2本は、『ディア・ピョンヤン』に続くドキュメンタリー『愛しきソナ』と、ヤン ヨンヒ監督の劇映画第1作『かぞくのくに』。この日はゲストとしてヤン ヨンヒ監督が来場し、トークを行う。

『愛しきソナ』は、帰還事業で北朝鮮に「帰国」してピョンヤンで暮らす3人の兄たちとその家族の姿、そして日本で暮らす自分たちの葛藤が描かれた作品である。姪(次兄の娘)ソナを中心に編集され、彼女が成長する姿を追いかけることによって、私たちは離散した家族が背負った歳月の重さを知る。また、この作品で撮影されたピョンヤンの街と人々の生活の映像は、めったに見ることが出来ない貴重な記録のように私たちには思える。



そして『かぞくのくに』。ヤン ヨンヒ監督が自身の実体験を基に作り上げたこの劇映画は、「第86回キネマ旬報ベストテン」日本映画第1位をはじめ各映画賞を独占し、2012年の話題をさらった。

在日コリアンのエリ(安藤サクラ)には、帰国事業で北朝鮮に渡った兄ソンホ(井浦新)がいる。その兄が、脳腫瘍の治療のため3ヶ月の期間限定で一時帰国する。久々の再会にリエや家族はソンホを温かく迎え入れ、ソンホは旧友たちとも再会を果たすが、彼の行動はつねに監視されていた…家族の理不尽な現実を、監督はそれまでのドキュメンタリーではなく劇映画という形で描く。フィクションでなければ描けなかった真実がそこにはあった…

たったひとりで、家族を守ろうと、国家と対峙する、映画作家ヤン ヨンヒ。しなやかでしたたかな彼女の戦いを、この<三部作>で私たちは目撃する。

日程は次のとおり。

2014年2月22日(土)
10:30~ 『映画「立候補」』(監督:藤岡利充/2013)
13:30~ 『台湾アイデンティティ』(監督:酒井充子/2013)
15:45~ 『ディア・ピョンヤン』(監督:ヤン ヨンヒ/2005)

2014年3月15日(土)
13:30~ 『愛しきソナ』(監督:ヤン ヨンヒ/2009)
15:30~ 『かぞくのくに』(監督:ヤン ヨンヒ/2012)
上映終了後、ヤン・ヨンヒ監督によるシネマトークおよびサイン会を開催

会場は、弘前市土手町中三デパート8階「スペースアストロ」。
前売1000円 当日1200円 (harappa会員500円)。(1作品ごとにチケットが必要です)

詳細は次をクリックせよ。
「ドキュメンタリー最前線」
http://harappa-h.org/contents/20140222harappamovie.php

「ヤン ヨンヒ監督特集」
http://harappa-h.org/contents/20140315harappamovie.php
  

(※注)
「harappa映画館」第6回「ドキュメンタリー最前線」は、次をクリックせよ。
http://harappa-h.org/modules/tinyd0/index.php?id=87


 <後記>
「harappa映画館」2回分の「上映会への誘い」で、2014年のスタートを切った。たくさんの観客が見込める作品群ではないが、どれも「価値あり」の映画である。ぜひ多くの人に来てもらいたい。
次回以降の「サル」のために、大江健三郎と村上春樹の新作(村上は雑誌掲載の連作)を読むこと、映画『ハンナ・アーレント』を観ること(:結局、青森市で観ることにした)、ハンナ・アーレント著『イェルサレムのアイヒマン』を再読すること等々、宿題は山積みである。「今年出会ったドキュメンタリー」の季刊化も追求したいし…今週末、仕事で函館に行くのだが、もし美味い珈琲と出会ったら「珈琲放浪記」で気分転換するかもしれない。

(harappaメンバーズ=成田清文)
※『越境するサル』はharappaメンバーズ成田清文さんが発行しており、個人通信として定期的にメールにて配信されております。