2016年12月26日月曜日

【越境するサル】№.153「珈琲放浪記~本郷三丁目、横浜元町そして渋谷~」(2016.12.23発行)

今月、サッカー「クラブワールドカップ決勝」観戦の為、東京に2泊した。試合会場は新横浜だが、例によってあちらこちら足を延ばし、1日1軒のペースで「珈琲放浪」を試みた。

 
                 「珈琲放浪記~本郷三丁目、横浜元町そして渋谷~」

   月曜日だというのに、ひっきりなしに人々が行き交う渋谷駅前。その雑踏から少し離れて宮益坂を上り、しばらくして今度は下り、小路をのぞく。
   正確な場所を地図で確認していなかったので、果たしてたどり着けるか不安だった。方向としては、間違ってないはずだ。もしかしたら明治通りに近いのかもしれない。何度か小路を通り抜け、ついにその店を見つけた。明治通りを原宿方面へ歩いてすぐの路地を右手に入った所にある、「茶亭 羽當(ちゃてい はとう)」。午前11時開店だとしたらあと10分ほどだ。店内の灯りが見える。
   開店と同時に店内に入り、長いカウンターの奥の席を目指す。店内は、骨董に囲まれた昭和の喫茶室といった趣き。カウンターの正面には(そして店内のありとあらゆる場所にも)、夥しい数のカップ&ソーサー。何故か、懐かしい。初めて入った店で感じるこの既視感は、最近の「珈琲放浪」で何度か経験したものだ。
   「羽當オリジナルブレンド」とシフォンケーキ(メイプル)を注文し、ようやく一息つく。あわただしかった土日を思い出しながら、まずは一服(もちろん煙草ではない)といったところか。喫茶店とは、こういうふうに利用するものなのだ…

   土曜日、午後1時、例によって上野駅に到着し浅草口のコインロッカーに荷物を預けると、すぐ本郷三丁目の「TIES(タイズ)」に向かった。前回最後に訪れた店だ。迷わずに、イブラヒムモカ(マタリ)の深煎り。相変わらず、強烈な苦みと官能的な味わい。いいスタートだ。数年間熟成させたオールドビーンズ珈琲(フレンチロースト)「ファイブブレンド」200gをお土産に購入し(後日、自宅で堪能したこの豊潤な世界について、いつか語るべきだろう)、上野公園に向かう。この日は、国立科学博物館の「世界遺産 ラスコー展」見学がメイン。クロマニヨン人による芸術とも言える洞窟絵画は、今回の旅行で外すわけにはいかなかった。

   日曜日、宿泊している五反田のホテルから渋谷に向かい、東横線特急で横浜、元町・中華街駅へ。この駅周辺で気になる喫茶店がいくつかあったが、ちょうど10時開店の元町「無」に少し早く入れてもらった。私のお気に入りの店は大体そうなのだが、カウンター正面にたくさんのカップ&ソーサー。自分で好きなカップを選び、この店のブレンド「無珈琲」と手作りレアチーズケーキのセットを注文する。
   「無珈琲」は、ちょうど良い深煎り。レアチーズケーキともよく合う。朝の喫茶店特有の雰囲気を味わいながら、一日の計画を立てる。午後からは新横浜、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)。クラブワールドカップ3位決定戦および決勝、レアルマドリッドvs鹿島アントラーズ。チケットを握りしめ、会場を目指す。

   …さて、渋谷の「茶亭 羽當」だが、深煎り好きの私には少し物足りないが優しい味わいのブレンドと、これは大満足のケーキでリラックスした時間を過ごし、気がつくと何組かの客がボックス席にいる。それぞれ談話やパソコン仕事。そのうち、旅行者らしき客もカウンターへ。もう一度メニュー表を眺めると、私の好きな「マンデリン」や気になる「エージング珈琲」も目につく。もう一杯といきたいところだが、風邪と疲労のせいか胃の調子があまり良くない。味わえないなら無理をしないと決断し、店を出た。
   次の上京の際にはこの店からスタートしたいものだ、といつものように思った。


<後記> 

   ここしばらく、「上京篇」とも言うべき「珈琲放浪記」が続いたが、今回で一段落といったところか。年内に「今年出会ったドキュメンタリー」を発信したら、来年の『越境するサル』について考えるとしよう。3月の上映会「ドキュメンタリー最前線 2017」については1月中に発信したいが、そのほかは未定。




(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。



2016年12月7日水曜日

【harappa Tsu-shin】キッズ・アート「Viewing+創 inヒロロ」♪


12月3日・4日に開催されていたキッズ・アート「Viewing+創」inヒロロの様子をご紹介します♪

ワークショップや映画上映など様々な催しがありましたが、
harappaでは子どもたちの作品の展示をお手伝いしました♪

こちらの展示会場はヒロロ3階のイベントスペースです。

特別支援学級や学校に通う子どもたちが、たくさんの作品を出展してくれました♪

作品の形状もテーマも自由!


グループで大きな作品を作ってくれた子どもたちもいました♪

個人的に一番好きな作品でした。
カエルがなんとも愛らしいです。

子どもたち一人ひとりの感性を楽しめる作品展示でした♪

こちらは1階のエスカレーターの展示の様子です♪

「好きな歌詞と私のイメージ」シリーズです♪

歌詞のチョイスが渋いですね♪

手ぬぐいの作品もありました♪

2階エスカレーターの展示です。

ねぷた絵がカッコイイですね。

4階エスカレーターの展示。

「みらいのおうち」シリーズ♪


週末のヒロロでの開催ということで、たくさんの方にご覧いただけたのではないでしょうか?
今回、子どもたちの作品をたくさんの人に見てもらえるお手伝いができて良かったです♪




(harappaスタッフ=太田)


【harappa Tsu-shin】harappa映画館「ミステリアスな男たち&女たち」開催しました♪

みなさん、こんにちは!
harappa通信は久しぶりな気がします。
あっという間に寒くなったと思ったら、
あっという間に年末ですね、、、


さて、先週末は毎年恒例のharappa映画館が開催されました♪
今回のテーマは「ミステリアスな男たち&女たち」
何やら気になるテーマですね。。。

上映会当日はお天気にも恵まれ、
たくさんのお客さまにご来場いただきました♪

上映作品は、
「東ベルリンから来た女」
「ローマに消えた男」
「アクトレス ~女たちの舞台~」
の3作品でした。
3作品全てご覧いただいたお客さまも多く、
とても嬉しく思います♪

会場でも予告編が流れましたが、
次回のharappa映画館は3月4日(土)!!
ドキュメンタリー作品3本を上映予定となっております。
詳細は後日、harappaのHP等でチェックしてください。

次回のharappa映画館も皆さまのご来場お待ちしております♪





(harappaスタッフ=太田)


2016年12月6日火曜日

【越境するサル】№.152 「珈琲放浪記~東京、湯島から本郷三丁目へ~」(2016.12.4発行)

先月、「大人の休日」で東京とその近辺を旅した。妻と一緒に娘一家の家を訪れるのが主たる目的だったが、例によって美術館や博物館をまわり、さらにワイナリーとビアホールに足を延ばし、結局観光を満喫した。そして最終日、ひとりで上野から御徒町へ向かい、湯島方面まで歩き、ある喫茶店にたどり着いた。

 
    「珈琲放浪記~東京、湯島から本郷三丁目へ~」

  湯島天神を左に見て、坂の道をしばらく歩く。すでに本郷三丁目、その店はあった。「TIES(タイズ)」、「Old beans coffee & Hand made cake」とある。店の前と店内入り口付近にはケーキを買い求める数人の客がいたが、幸いなことに喫茶部分はすいているように見えた。カウンターの奥に座り、メニュー表をじっくり眺めてから、おもむろにレアチーズケーキとマンデリンを注文する。自家焙煎の珈琲は20110㏄、ネルドリップで抽出。マンデリンは期待通りの味わい。濃厚かつ妥協なき苦さだが、すっきりとしたのど越しに満足。これも水準をはるかに超えているレアチーズと交互に味わいながら、いつのまにか飲み干してしまった。この日ここまで珈琲を我慢してよかった、と素直に思った。

   この旅では、毎日美味い珈琲にありついた。

   1日目は、上野駅から御徒町「カフェ・ラバン」に直行。前回の訪問で気に入っていた「フレンチブレンド」と、高い評判のサンドウィッチで昼食を済ませ、「マンデリン」100gを購入。その後、御徒町駅ガード下の「2k540 AKI-OKA ARTISAN」で工芸品を物色し、上野公園へ。東京都美術館「ゴッホとゴーギャン展」を堪能し、池袋経由で娘一家宅へ。

   2日目は、中央本線新宿発特急「かいじ」で山梨県勝沼ぶどう郷へ。笛吹市一宮町の「ルミエール」ワイナリーのレストラン「ゼルコバ」でランチ、「光甲州」(白)と「シャトールミエール」(赤)の2種類のワインを楽しむ。その最後に出されたのが、山梨県韮崎市で熟成された「コクテール堂」のエイジングコーヒー。レストランで美味い珈琲に出会うというのは、ちょっと得をした気分だ。

   3日目は、娘一家とともに半日近く「恵比寿ガーデンプレイス」で過ごしたが、恵比寿三越地下1階「宮越屋珈琲」で飲んだエスプレッソは本当に美味しかった。エスプレッソ初心者にもわかりやすいコクと苦み、しかもたっぷりの量。さすが札幌。「宮越屋珈琲」は、札幌でも東京でもはずれがない…この日は帰り道、中村橋駅付近の自家焙煎珈琲豆販売店「まめせん珈琲」で「まめせんブレンド」と「トラジャ」(もちろんどちらも深煎り)を購入。どちらも有名店と比べても遜色ない味わい、しかもリーズナブル。

   そして、最終日がこの「TIES(タイズ)」だ。

   何やら2杯目が飲みたくなって、もう一度メニュー表を見せてもらう。オールドビーンズ珈琲、紅茶、アイス珈琲等々選択肢は豊富だが、やはり何かストレート珈琲が飲みたかった。そして目に留まったのがイブラヒムモカ(マタリ)の深煎り。モカの深煎りは今年いくつかの店で出会い、その都度新鮮な感動を与えてもらっていた。しばらく待って、1杯目とは違う薄手で小ぶりのカップで出されたイブラヒムモカは、もう絶品と言うしかない味わいだった。濃厚でコクがあるのはもちろんだが、甘味というか何やら色気を感じてしまった。途中から砂糖を少量加えて味の微妙な変化を楽しみ、2杯目の珈琲を堪能した。まだ味わってみたいメニューはたくさんあるが、今日はこれで満足。近所で蕎麦でも食べて、それから湯島天神をのぞいて、上野に戻ろう。東京国立博物館の特別展「平安の秘仏」を鑑賞する時間も確保しなければ。

   こうして、今回も満足すべき「珈琲放浪」だった。次の東京(もう再来週だが)も「TIES(タイズ)」からスタートしたいと思い始めているが、どうなることだろう。


<後記>

   前号(№151)紹介したharappa映画館「ミステリアスな男たち&女たち」は、123日、のべ244名の観客を動員して終了した。観客の反応も良好で、次のharappa映画館にも期待がかかるところだが、プレッシャーも若干あり。

   次号は、クラブワールドカップ決勝観戦の旅。というより、その際の「珈琲放浪」の記録。



(harappaメンバーズ=成田清文)

※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。