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2014年3月29日土曜日

【つむじ風】14号 「春雷」

本日は、私の二十数回目(?)の誕生日でありますので、自己宣伝をふたつ!

明日、ちょっとしたイベントがあります。お時間があって、興味のある方はどうぞお越しくださいませ。

【春雷】

津軽三味線と踊りと朗読と

日時 平成26年3月30日(日)
場所 酒場 糸
   弘前市富士見町16-14 1F
料金 2000円(1ドリンク付)
受付18時~ スタート19時~

小山内薫  津軽三味線
秋葉春生  朗読
平野稔   朗読・お話
大高勝造  おどり手
小田桐妙女 HAIKU
成田祥香  書

・舞台監督 秋葉春生
・主催 KIRIKO 080-5866-5688

【予約・問合せ】酒場 糸(佐々木)080-5038-0408 

※陸奥新報さんには許可を得て掲載しております。

 
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俳誌『妙 13号』、出来上がりました!会員の皆さま、近日お届けいたします。
明日、「春雷」にお越しの方にも差し上げます。

サラリーマン・画家・ミュージシャン・物書き、多種多様な方々が参加しております。
表紙は葛西晋也、俳句漫画はトヨカワチエに担当していただいております。キラキラした才能がぎゅうぎゅうに詰まっている冊子です。一度お読みいただきたいと思います。俳号を使えるので自分の素性を明かさなくてもいいのです。そして、気が向きましたら、一句詠んでみてください

今日の一句:  永き日や欠伸うつして別れゆく   夏目漱石
(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2014年1月31日金曜日

【つむじ風】13号 「本当のことは○○の中にある」

今さらですが、一月も終わりなので・・・






すみません!でも、でも、この漫画が素敵なのよー。若いのにスゴイの。そんなトヨカワチエ画伯のホームページは、こちら。パワーアップすること、間違いなし!

http://toyokawachie.com/

パワフルな彼女の漫画が読める冊子が、俳句誌『俳句鼎 妙』。隔月で発行されている。

毎回、表紙のデザインを担当してくれているのが、絵描き・葛西晋也。彼の仕事は職人技で、センスにおいてはこの辺では群を抜いていると私は思う。が、blogはけっこう間抜けなことを書いているので、肩の力を抜きたい時など覗いてみては?また、彼のマニアックぶりや、仕事っぷりも見ることが出来る。

http://s.ameblo.jp/sinya78364/

一応、私は俳号・小田桐妙女で妙の代表となっているが、ただの纏め役である。俳句というジャンルに囚われず、それぞれが自分の得意分野で活躍できる、坐、でありたいなと思っている。

本当のことは歌の中にある
大好きなシンガーソングライター・斉藤和義の歌の歌詞である。「歌」の部分はそれぞれが持っていると思う。私は、それがたまたま「俳句」だっただけ。

俳句も、愉しいよ!

(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年12月31日火曜日

【つむじ風】12号「カレーもいいけどおせちもね!」

レトルトカレーのCMに、「おせちもいいけどカレーもね!」ってのがあった。
ここ数年、友人や仲間とおせちをつまみに最後の忘年会をしている。
なかなか豪華な気分になっていいものである。

フェイスブックで知ったが、友人が自分でおせちを作っているのにはビックリした。
私は多分、自分で作ることはないだろう。カレーならいくらでも作れるが。

「おせちは五穀豊穣を願い、家族の安全と健康、子孫繁栄の祈りを込めて、縁起の良い食材にこと寄せ、海の幸、山の幸を豊かに盛り込んだもの」、と書かれているように、壱の重「蛸小倉煮、タコを多幸と重ねます」、弐の重「いくら醤油漬、子孫繁栄の象徴」、参の重「たたき牛蒡、地中に根を張るごぼうは、根気がつく、という縁起物」等々、お品書きを読むのも楽しい。


それでは、みなさま、よいお年を!
感謝感謝。

2013年12月13日金曜日

【つむじ風】11号「グローイング・アップー隣の席の男の子ー」

 中学時代のクラスメイトに、丸顔に林檎ほっぺたのちょっとオマセな男の子がいた。その子はいつも、透明な下敷きに映画のチラシや切り抜きを挟んでいた。頼みもしないのに見せてくれ解説をしてくれた。その中でも赤いほっぺを更に赤くさせ、力説してくれた映画がある。
 原題「Lemon Popsicle 」・「グローイング・アップ」。
 あんなにガンバって話してくれたのに、それがイスラエルの映画だと知ったのは、つい最近のこと。ネットで調べたら私のようにアメリカの映画だと思い込んでいた人もいて、ちょっと安心した。 
 実際、人気がありシリーズ化され、番外編はアメリカで製作したリメイク作品で、ハリウッドでもお馴染みのプロデューサーによるものだという。
 ジョージ・ルーカスの「アメリカン・グラフィティ」に触発されて作られた青春映画。1950年台のイスラエルが舞台で、主人公のベンジー、軟派でかっこいいボビー、太っちょのヒューイ、17才の高校生3人組と女の子たち(時には、子、じゃない場合も)の恋物語・・・だけではなく、お色気もたっぷり、オールディーズがふんだんに使われている。私の本命はベンジーだったけれど、時にはボビーにもときめいた。ヒューイはタイプではないけれど、欠けたら寂しい。散々お馬鹿劇を繰り広げていても、ラヴ・ミー・テンダーなんかが流れたら胸キュン映画に早変わり。よく覚えているのが、シリーズ3の「恋のチューイングガム」。恋して、傷ついて、間違って、悩んで大人になっていく・・・以外は秘密。しかし公開された年が1981年と出ていて、計算すると私はまだ小学生のはず。シリーズ3がこの年ってことは、シリーズの最初は何年?おかしい・・・。
 
 年のことは置いておいて、ここまで書いて、やはりイスラエルとはなんだか結びつかない。もちろん、私の勝手なイメージである。

 そういえば、映画雑誌『スクリーン』は表紙の女優さんが綺麗だった。『ロードショー』という映画雑誌もあって、二冊は『明星』と『平凡』の外国の映画スターバージョンみたいなものかな。日本のスター雑誌には『近代映画』というのもあって、それぞれ交代で買っていた。もちろん、切り抜いて下敷きに挟むためである。

 思い出話が尽きないので、今宵はこれで一杯やろうかな。因みに、このレコードにはラヴ・ミー・テンダーは入っていない。


(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年11月6日水曜日

【つむじ風】10号 「岩木には宵待草がよく似合う」


♪待てど暮らせど来ぬ人を

宵待草のやるせなさ♪


植物学的には、「マツヨイグサ(待宵草)」。夕刻に開花して夜の間咲き続け、よく朝には萎んでしまう。大正浪漫を代表する画家・詩人、恋多き竹久夢二のつかの間の恋の物語。その相手の女性は、他の人と結婚し、今は夫の出身地である和歌山県新宮市のお墓に共に眠っているという。


かつて、私の恋の相手であった和歌山出身の彼とは、いろんな映画を一緒に観た。映画監督志望だけに、いい映画ばかり教えてくれたのだと思う・・・偏っていたかもしれないが。そんな私の、日本映画のベスト3は、神代辰巳監督の「赫い髪の女」(中上健次の原作も大好きなことは言うまでもない)、田中登監督の「色情めす市場(まるひしきじょうめすいちば)」、黒木和雄監督の「祭りの準備」、のようだ。のようだ、というのは他にも沢山あるような気がするのだが、咄嗟に思いついたのは、この三本だったから。三本のうちの二本は、日活ロマンポルノ。裸さえあれば後は何をやってもいいと、若い監督たちが自由に映画を作れたのだという。


今まで、色んな要素が重なって「赫い髪の女」を一番だと思っていたが、もしかして「色情めす市場」が一番かもしれない。ロマンポルノとして観た場合は、「抜きどころがまるでない」、という理由から最低らしい。しかし、この映画、一度しか観ていないのに、この記憶力の悪い私の桃色の脳細胞に(名探偵ポワロ風に)、場面場面がこびりついたままである。特に、白痴の弟のあのシーン。春を売って釜ヶ崎で生きる姉。その姉を演じているのが芹明香で、「祭の準備」にも出ていた。


彼女は、『弘前りんご映画祭』で上映される、神代辰巳監督の「宵待草」にも出ている。この映画も、二人で借りたと思っていたのだが、私だけ観なかったのか、ただの記憶違いなのか、内容を覚えていない。これは、この機会にぜひとも観なければ。当時の弘前の様々な風景も映し出されているのだという。


出来れば、あの人と一緒に私の故郷で観たかったなぁ・・・なんてね。


♪今宵は月も出ぬさうな♪

(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年10月19日土曜日

【つむじ風】 9号 「あたまを空っぽにして、五七五」

先日、中野もみじ山のライトアップを見に行った。紅葉がまだまだだったので、まさにその通りだった。そう、ライトアップで赤く染まったもみじを見てきた。これはこれで、なんか楽しかった。句碑もたくさんあるし、見頃になった頃、次回は昼に出掛けたいと思う。

そんな昨日は、岩木山と八甲田山で初冠雪。



そして、今日から始まった「弘前城 菊と紅葉まつり」は、11月10日まで。

あさっての日曜日は、「弘前市民俳句大会」がある。これは、大会の前に公園を自分で歩いて、俳句を作って発表するというもの。俳句は、楽しいよ。

最近、『知識ゼロからの俳句入門』を読み直しているが、この中の「アルファベットや記号が斬新な句にする」から、面白い句を紹介させていただく。

Qの字の混み合つてゐる蝌蚪の池   佐々木ふみ
(きゅうのじのこみあっているかとのいけ)

「 」夏のかけらを切り取って    武田典子
(かぎかっこなつのかけらをきりとって)

・・と・・・と雪がふる      金城敬太
(てんてんとてんてんてんとゆきがふる)

シナリオ本も買ったくらいに大好きだった、森田芳光監督・薬師丸ひろ子主演の角川映画「メインテーマ」。この中で忘れられない場面が、「セクシーになるってどういうことですか?」と聞く薬師丸のあたまを小突き、「あたまを空っぽにすることよ」と桃井かおりが答えるとこ。これって、いろんなことの答えのような気がする。

さて、弘前市民俳句大会のご案内

日時:1020()1230分受付開始
会場:弘前市民参画センター3(桜大通り)出句:弘前公園吟行3句
締切:1時厳守
会費:1000円
選句:特別選と一般参加者の互選。


皆さんも、あたまを空っぽにして、五・七・五、いかが?

 (harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年9月27日金曜日

【つむじ風】8号 「秋の朝」


 幼い頃より、うちで商売をしていた両親は忙しく、誰かの誕生日やらで外食する以外は、家族そろっての食事は滅多になかった。そんな私の食事相手は、テレビが多かった。これは悲しいことではなく、嬉しいことだった。

 今ではテレビは全く見なければ見なくてもいいのだが、面白いドラマを見てしまうと、見なくちゃいけない、続きが見たい、という気持ちにさせられる。知らなければ知らないで過ごせる。しかし、嘘から本当から情報の多いこの世の中、話題になっていることは、嫌でも目に耳に心に入ってくる。
 

そう、朝ドラこと連続テレビ小説「あまちゃん」

 実は、私はしばらく見ていなかった。脚本家の宮藤官九郎も言っていたが、話題になっているものは見たくないという天邪鬼な気持ちもあった。一回目を見逃してしまったのも原因である。でも、母は毎日見ていたようで、「キョンキョンの洋服いいわよ」なんて言っていたし、知人には一日三回見ているという人がいて、気になっていた。
 

そして、だいぶ後になってから見始めて、時には一日三回見るようになった。いやぁ、想像以上に面白かった。アキちゃんファンには悪いし豪華な役者陣だが、なによりも、小泉今日子と薬師丸ひろ子のツーショットのインパクトが強すぎ。私は、途中から見たにわかファンなのでお許しを。 キョンキョンはもちろん、ひろ子ちゃんはまさに角川映画全盛期の私たちのアイドルだったのでしょうがない。天野春子と鈴鹿ひろ美は、私より少しお姉さんである。しかし、ほとんど同世代。キョンキョンはアイドルの反逆者でありながら、アイドルを貫き通す希有な存在だと思う。あの、刈上げカットは今でも忘れられない。ひろ子ちゃんの唄は、いまだに時々歌わせてもらっている。

 私も、若い頃に母が演劇をやっていたこともあって、女優に憧れた時期もあった。しかし、人前で話すとすごく緊張するので、無理だなと思った。今も、やりたいことは沢山ある。私のだいたいの年はご想像いただけると思うが、雌の白文鳥と一緒に住んでいる、まだ暗中模索中の夢を見続けている、にがちゃんである。

 さて、明日はあまちゃんの最終話。どうなることやら。私は、冬子が登場すると睨んでいる。春子、夏、アキ(秋)、・・・だもの。そして、私は続篇反対派。にわかファンだし、今までの分を最初から見るという楽しみ方も出来る。とにかく、元気をくれるドラマである。じぇじぇじぇは、今年の流行語大賞だろうね。

(harappaメンバーズ=KIRIKO) 

2013年9月14日土曜日

【つむじ風】7号 「テラヤマの引力」

 

私が初めて「寺山修司」を知ったのは、上京した後である。ある人物と出会い、その人は太宰治も寺山修司も大好きだった。特に、寺山について詳しかった。青森県出身でありながら、知らなかったことを恥じた。


 それから、帰郷した時に青森の図書館から寺山の本を借り、時間のある時にノートに書き写し、東京に戻る前に返却した。強烈に好き!という感じではなかったが、なんとなく惹かれるものがあった。


 そして、一九九八年十一月一日、私は季節外れの里帰りをすることになった。それは、一日限りの市外劇「人力飛行機ソロモン・青森篇」が、行われたからだ。


 参加者には、寺山のお面と地図とチョークが渡された(松山篇では、正岡子規のお面が配られたらしい)。アラーキーがいたり、宇野亞喜良氏がいたり、ジャンケンする者や手旗信号していたり、市内の中心部を通行止めにして、あちらこちらで市外劇が行われていた。確か、私はチョークで「寺山さん、みていますか?」、なんて書いたような気がする。最後は、青森文化会館()の舞台に皆が上がり、集合写真を撮った。


私もわずか数本の演劇を観ているが、この一日限りの市外劇が、今まで体験した演劇の中で忘れられないのには、もうひとつ理由がある。


その次の日に、友人たちとご飯を食べていたら、ひとりの友人の携帯が鳴った。それは、保育園から高校まで同じだった、同級生の自殺の知らせだったのだ。そして、私は東京に戻る日を遅らせることになった。


 まだ芝居は続いているの?、と思った。


寺山修司が率いた「演劇実験室天井桟敷」のこの芝居の初演は、東京・新宿及び高田馬場での一九七○年の十一月だったという。私が、産まれた頃である。


 そんな寺山の「寺山修司演劇祭」が、近々、青森県三沢市で開催される。


 期間は、九月二十二日(日)~二十三日(月・祝)、入場無料。この機会に、テラヤマワールドをお勧めしたい。

手紙魔だった彼だったら、きっとSNSを活用していただろうなと思う。

(harappaメンバーズ=KIRIKO)



2013年8月30日金曜日

【つむじ風】6号「舞踏狂女雪雄子」

彼女の舞踏を、

 繋ぎ合わせたことばで表すには、

    私にはまだまだ修行が足りぬ。




「信濃の国 原始感覚美術祭 2013
  海ノ口環状列石祭」
八月二十五日()
舞踏 雪雄子
津軽三味線・笛 木村俊介



あれから、五日
本日、八月三十日(金)
これから、五日
                


                風の馬 ー朔日山から神々が降りてくるー」
                       
九月五日()、六時半より
                          
舞踏 雪雄子
                       
神楽太鼓 石坂亥士
                        
龍笛 中村香奈子                   (投げ銭)

                                                  

手塚愛子写真展 同時開催
コミュニティ・カフェぽっぽらにて
JR奥羽線 北常磐駅)




                                    彼女の舞踏の前で、
   
                                         私のことばは、
       
                                            陳腐な装飾にすぎない。
                                                  そう、これもまた。

(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年8月16日金曜日

【つむじ風】5号「さと子の箸置き」


 向田邦子はエッセイの中で、ひとり暮らしだが、晩ごはんだけは箸置を使っている、と書いていたので、私もそうするようにしている。ときどき箸を休めながら食事をすることが、人間の暮らしだと人に言われたのだという。





 向田ドラマでいちばん好きなのが、「あ・うん」である。男ふたりの友情とその間で揺れる妻、もいいのだが、私が好きなのは娘さと子のナレーションである。それから、私は「さと子」という名前が好きになった。


 好きなエッセイはたくさんあるのだが、涙が止まらなくなったのが「字のない葉書」である。終戦の年、向田邦子の末の妹が甲府に学童疎開をすることになって、まだ字の書けない妹が、父に「元気な日はマルを書いて、毎日ポストに入れなさい」と言われ、宛名だけ書かれた葉書の束をリュックサックに入れて、遠足にでもゆくようにはしゃいで出掛けて行った、という話である。


 脚本家、エッセイスト、小説家であった向田邦子は、料理上手で食いしん坊、器、書画、骨董にも熱中し、旅も好きだった。長谷川利行という画家の絵を、大変気に入っていたとか。長谷川利行は、ルンペン同然で、知人宅に押しかけて押し売り同然に自分の絵を売りつけ、帰ったあとには必ずシラミが落ちていたのだとか。彼の作品を一枚欲しいと思うようになったのは、自分が逆立ちしても出来ないものに憧れたからであろう。日向で昼寝しているカナヘビが、キングコブラに惚れてしまったのかも知れない、と向田邦子は書いている。

 私は二十代の頃、コピーライターのアシスタントをしていたことがあって、先生に毎日作文を提出するように言われていた。ある日、友人たちとの約束があって、中途半端に書いた作文を先生の机の上に置いて帰った。次の日、めちゃめちゃ怒られた。ごまかしはきかないのである。そして、「向田邦子を読みなさい」と言われた。

 それから数年後、職場の上司から向田邦子全集をいただいた。今、本棚から重い全集を取り出し、時々読んでいる。私もまた、逆立ちしても向田邦子にはなれない。だからこそ、憧れるのであろう。まもなく、航空機事故で空に飛んで逝ってしまった、向田邦子の命日がくる。

 向田さん、貴女が大好きです。

(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年8月2日金曜日

【つむじ風】4号「ソウル・カラー」


 ねぷた祭が始まった。まだ仕事中の私の携帯に友人から、ねぷたの写メールが届いた。今年は、何回見られるかな。
  それはさておき、仕事が終わってからサンデーに行くと、アーティストの鶴さんに、バッタリ!(○部分には、「瓶」とか「光」とか、お好きな文字をどうぞ)展示の搬入をして、足りない物を買いに来たとか。相変わらず、小さいのにすごいパワーを持っているなと思った。彼女の魂は、宇宙色。星にもめっちゃめちゃ詳しいのだ。今回の展示では、怪談話もやるそう。私も、渋谷のど真ん中で宇宙人と会ったとか、幽霊を見た後に台所の前に砂が零れていたとか・・・けっこうな体験をしているんだよね。しかし、幽霊よりも生きている人間のほうが、よっぽど怖いんだって。自分がいい例で、いつ生霊になるかもしれない。   
  ねぷたの絵には、そういったドロドロした人間の怨念とかも、描かれているような気がする。

  明日から始まる展示を皆さん、是非体験してみてはいかが?ねぷた祭とともに。もしくは、ねぶた祭りでもいいかな。どこでも何でもそうだと思うけど、ライバルは必要で、また相手を認めることも必要で、まずは小さい世界で応援して泣いたり笑ったり、勝ったり負けたり・・・それからだんだん大きくなるのだと思う。喧嘩だけが大きくなっては困るけど。カラフルな魂が調和すればいい。全てが、平和への第一歩になったらいいな。さてさて、皆さんの魂の色はいかに?

 

「魂(たま)が触れ合う記憶(とき)」~絵画・オブジェ7人展
   


葛西晋也、工藤明日香、境航、館田修司、鶴見弥生、廣島創太、福田貴仁

8月2日(金)~5日(月) 10時~21時(最終日は18時まで)

百石町展示館2階展示室にて


(harappaメンバーズ=KIRIKO)

2013年7月16日火曜日

【つむじ風】3号「虎の肉球~<若冲>さんと<プライス>さん~」

久し振りの二連休。一日目、岩手県立美術館で『若冲が来てくれました』を観てきた。最終日前日だったからなのか、けっこう人が多かった。なんと、プライス夫妻が来ていた。ついこの間テレビの日曜美術館で拝見したお二人が、思いがけず目の前にいて、サイン会を行っていた。ミーハーな私は、すぐに図録を買い最後尾に並んだ。サインをいただいてから、ゆっくりと展示を観た。



実は前日、自分でも驚くくらいネガティブな状態で、久しぶりに泣きすぎて鼻水がつまって、息ができないくらいだった。次の日の朝も頭が重く、行く直前まで迷っていた。でも、お昼近くまで横になっていて起き上がったら、「よし、行ける!行くなら今でしょ!」と思った。芸術は、人の気持ちをチェンジできる。


ジョー・プライス氏は、伊藤若冲コレクションでは最大で、世界有数の江戸絵画コレクションの収集家である。初めて、葡萄を描いた水墨画に心を奪われた時、建築家のフランク・ロイド・ライトとご一緒で、若冲が描いたとは知らず購入した。それから、江戸時代の個性的な画家たちの作品に魅せられ、次々に求めてきた。後に奥様となる通訳の悦子夫人に出会い、彼女の手助けでコレクションが充実していった。




今回の展示は、アメリカの南カルフォルニアで知った、東日本大震災の様子・福島第一原子力発電所の事故・・・そして、瓦礫の中で泥をかぶっていた一本の梅の木に花が咲き、桜や水仙も花をつけている様子に涙が止まらない、そんな被災地のみんなに自分たちのコレクションを観てもらって、勇気づけることはできないだろうか?そんな思いから出発して実現したもの。

プライス式楽しみかたというものがあって、昔から私が好きな曽我蕭白の「寒山拾得図」を、誰にでも解りやすく「<かんざん>さんと<じっとく>さん」と書き、右手で巻き紙をかざすのが寒山、筍のようなほうきを持つのが拾得、と大きな文字で説明していたのがよかった。「プライス動物園」、「美人大好き」などとテーマ別になっていて、ガラスケースに入っていないものや、時々クイズのようなものもあったりして、楽しめる展示となっていた。


いちばん楽しみにしていた「鳥獣花木図屏風」は、「花も木も動物もみんな生きている」とタイトルが付けられていた。生で観て、お風呂に入りたくなった。銭湯に富士山の絵、それと同じものを感じた、ちょっと冗談だが。なぜ銭湯なのかと言うと、8万6千個ものタイルのような桝目で形成されているから。この仏教的であり、南国のパラダイスのような巨大な屏風が、江戸時代に描かれていたことにヒドク感動。色彩も鮮やかだし、「なに、これー?」って感じ。個人の持っている感性って変わらないのだなと。新しいも古いもない。芸術は普遍的である。

前にある若い男の子に、「芸術で人が救われることもあるんじゃない?」という話をした時に、「いや、それよりもじぇんこけろ!でしょ?」と言われた時に、かなりショックを受けたことがある。でも、やっぱり私は違うと思う。

展示を全部観終わった後、まだプライス夫妻はいて、ちょうど誰も居なかったので、この際パワーをもらいたいと握手をしていただいた。すごいの!プライス氏の掌は、分厚くてとても熱かった。ついさっき観た若冲の「虎図」・「足をなめるトラ」の、猫のようにピンクではない大きな肉球がすぐさま思いだされた。奥様には、テレビで見てから来たかったことを伝えると、「よろしくお願いします」と言われた。因みに、プライス氏はゴダール氏に悦子夫人はオノ・ヨーコ女史に似ているなと思ったのは・・・私だけかも。芸術は世界を救う。



次回は、7月27日(土)~9月23日(月・祝)まで福島県立美術館で開催される。「東日本大震災復興支援特別展『若冲が来てくれました』プライスコレクション江戸絵画の美と生命」。ぜひ、沢山のいろんな人々に、感じていただきたいなと思う


帰りには、美味しい焼肉と冷麺を食べてすっかり機嫌が直っていた。


harappaメンバーズ=KIRIKO

2013年7月7日日曜日

【つむじ風】2号「足裏の温度」

先日、弘前の俳句会の吟行があって大鰐町へ行った。
吟行とは、お金を預ける所ではなく、ある場所へ出かけて行って、歩いて見て聞いて味わって、詩歌をつくることである。その場で使い切れなかったものは、自分の心に貯蓄して、惜しみなく使うことができる。

その前に、「弘南鉄道の大鰐線を2017年3月までに廃止することを検討している」というニュースが出た。吟行は以前より組まれていた予定で、いつもなら見逃してしまうであろう記事に目が止まった。そして、その電車を利用することが、前から必要だったような気がした。

いつもギリギリの私は、この日も出発駅である中央弘前駅に着いたのが一分前で、走って汗だくの私を見て、女性の改札員の方が「どごまでいぐの?」と言い切符を買ってくれた。ハーハー言いながら電車に乗り込むと、みんながニコニコと座っていた。ちょっとバツが悪いなと離れて座ろうとしたら、「ダメダメ、こっちがうちらの指定席なんだから」と私を誘ってくれた。ありがたいことである。


とてもお天気の良い日で、窓から入ってくる風が気持ちよかった。少し落ち着いてから、電車内を見回した。すると、お古の電車なのだろう。つり革には「東横のれん街」、「109」など東急系列の広告が書かれていた。ただ、少し違うのはりんごをイメージしたわっかは赤く、緑のフェルトで作られた葉っぱの部分は、なんと岩木山をイメージ(これは、ちょっと無理やりかな(笑))していた。そのことは、東急系の広告の反対側にちゃんと説明されていた。後で聞いた話しだが、途中の駅から、私と同じように慌てて乗ってきた女性のために、扇風機を回してくれたという。ちょこちょことした、気遣いを感じた。

いろんなことを思いながら、大鰐までの電車に揺られていた。東京にいた十数年間は、帰郷したときしか車に乗らなかったなと。もちろん電車のお世話になったが、それだけ自分の足を使っていろんな場所へ歩いていたんだなと・・・。

   


今日は7月7日。お古の車両は何年前のものか定かではない。しかし、東京からのUターン組である私は、もしかして数年前の七夕の日に同じ電車の同じ席に、大好きな彦星と乗っていたかもしれない。そんな思い出の遠足もできる。今夜は、晴れますように。

harappaメンバーズ=KIRIKO


2013年6月29日土曜日

【つむじ風】1号「掌の味」


  


  先日、平川市在住の画家「山谷芳弘自選展」を観るために、五所川原エルムまで出掛けてきた。山谷先生のお宅には、二度ほどお邪魔したことがある。緊張もしたが、貴重で愉しい時間であった。周りは「〇〇画家」とか様々な名称で呼ぶけれど、自分はなんと呼ばれても気にしていない。特にそのことには捕われていないと、おっしゃっていた。先生は外見はもちろん、頭の中がとても若いのだ。今回の展示からもその様子が伺えた。私はストレートにしかものを言えないので、そのまま伝えると、「んだ、若い人が描いたのかどうか、作者がわからないように描いてるんだ」と。

  お土産に持っていった、パフェの形をしたプリザーブドフラワーを渡した。その時、また思った。この小振りな掌から、なぜあんなに大きな画が生まれるの?それはきっと、山谷先生の心が「デカイ」から。以前、東京で知り合った切り絵のアーティストの女性は、私の掌を見て、「小さいね。とても繊細な掌をしているわね」と言ってくれた。そして、「何かを表現する人の掌は小さいのよ」と。若い頃から冬になれば手荒れがひどく、鳥のように皺の多い不器用な掌を、初めて誉められたような気がして、嬉しくて今でも忘れられない。

   時々文章を書いたり、俳句を楽しんでいる私のことを知って、山谷芳弘先生は「文章でも画でも、料理でも同じ。味がないのは、私は好きじゃない」と。歌手の加藤登紀子さんは、京都の展覧会で先生の画を気に入り、ご自分の小冊子の中で紹介している。彼女もまた俳句をやっているのだと、先生に教えていただいた。テレビで、純白のドレスに真紅のワインをドボドボ降らせて歌った彼女の姿を、今でも鮮明に覚えている。そんな方と、好きな画家が同じだなんて、とても嬉しい。

   因みに、この日はスーパームーンの日。祖母が握った、デカイおにぎりのような月。
小さい掌で、大きなものを掴んでみたい。今宵の味は、どうかな?


harappaメンバーズ=KIRIKO