2014年12月24日水曜日

【コトリcafe】クリスマスリースをつくろう♪

みなさん、こんにちは!
そして、メリークリスマス!!☆
今年も残りわずかとなってしまいましたね。。。

先日、コトリcafe では、クリスマスリースづくりのワークショップを開催してました♪
講師はスタジオ銀杏丸の白取幸子さんです♪
まずは、ヒムロ杉で土台づくりです♪
杉のとっても良いにおい~♪

そして、たくさんの可愛らしい飾り付けの中から、
自分の好きなものを選びます♪

あとは飾るだけ!!
みなさん真剣です!
作業中はとっても静か。。。


完成した作品をご紹介♪







それぞれ個性あふれるリースになりました♪
クリスマスはこれでばっちりですね!

最後はみんなの作品を見ながらティータイム♪
ステキなクリスマスになりますように☆



(harappaスタッフ=太田)

2014年12月2日火曜日

【harappa Tsu-shin】映像クリエイション講座 補講実施しました♪




みなさん、こんにちは!
先日、11月23日・29日と
映像クリエイション講座の補講を行いました♪

“補講”と言ってしまうとなんかあれですが、、、
今まで開催してきた映像クリエイション講座は、
本当に素晴らしい講師の方々のもと、
ちょっとレベルの高い内容でしたので、
「ここでちょっと一休み」的な感覚です。(笑)



今回の講座の内容は、
「スマホ・デジカメで動画を撮る→編集する→公開する」
という一連の流れを一緒にやってみる!
というものでした。

本来であれば、この講座を一番先にやっておくべきでしたね、、、
事務局として反省しております。。。

参加者のみなさん、
楽しく参加していただきありがとうございました!

次回、「映像クリエイション講座」開催は2月を予定しております!
またブログでご報告させていただきます♪



(harappaスタッフ=太田)

【harappa Tsu-shin】「イタリア・オペラにようこそ」大盛況でした♪

みなさん、こんにちは!
12月に入った途端に雪ですね。。。
寒いですが、まだ緑が残る木々に雪が降り積もるのはキレイです♪

さて、少し時間が経ってしまいましたが、
11月7日に開催したharappa映画館special「イタリア・オペラにようこそ」
無事に終了いたしました♪

映画上映とリサイタルの2部構成というharappa映画館では
初めての試みでしたが、
みなさまのおかげで大盛況に終わりました♪

映画上映とリサイタルの間の休憩時間には、
コトリカフェのコーヒーやワインなどの販売もありました♪
こちらも大盛況でした!
今回の為に仕入れた赤ワインも白ワインも好評でしたよ♪
ワインやコーヒーを片手に映画の感想や
これから始まるリサイタルのお話、、、
優雅ですね~♪

映画「椿姫ができるまで」を観てからのソプラノリサイタル!!
本当に贅沢です♪

杉原かおりさん、浅野清さん、
ステキなリサイタルありがとうございました!!

足をお運びいただいたみなさま、
長時間にわたりご覧いただき本当にありがとうございました!
今回、はじめての2部構成ということで、
運営側の至らない点も多々あったかと思います。
みなさまから頂戴いたしましたアンケートでのご意見は、
ぜひ次回からのご参考とさせていただきます。
今後も「harappa映画館らしい!」
と言っていただけるような企画に挑戦していきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします!



(harappaスタッフ=太田)

2014年10月27日月曜日

【harappa Tsu-shin】「たべのこし展」終了しました♪


みなさん、こんにちは!
先週末は、土曜日・日曜日と本当に良いお天気でしたね♪

さて、そんなお天気の中、
弘前大学の文化祭にて、gallery wagon がお邪魔してきました♪
展示を行ってくれてのは、
弘前大学教育学部学校教員養成課程美術専修2年の
苫米地結子さんです♪

展示のタイトルは「たべのこし展」
かわいい女の子と食べ物の写真です♪



展示中はチェキの撮影会も行いました♪
弘大祭に遊びに来た記念にと大好評でした♪

たくさんの方が撮影に協力してくださいました!

とても賑やかだった弘大祭♪
来年もぜひお邪魔したいです。

足を運んでいただいたみなさん、
本当にありがとうございました!!



(harappaスタッフ=太田)


2014年10月22日水曜日

【harappa Tsu-shin】gallery wagon 弘大祭出店!「たべのこし展」♪


みなさん、こんにちは!
先日、約1年ぶりの登場を果たしたgallery wagon!!
今週末に写真展「たべのこし展」を開催します♪
(上の画像は昨年のものです。)

しかも今回は弘前大学総合文化祭に出店します!
きっと賑やかですよね♪

今回、展示を行ってくれるのは、弘前大学の学生さんです。
教育学部学校教員養成課程美術専修2年の苫米地結子さん♪
とても可愛らしい方で、「食べ物と女の子」をテーマにした
「たべのこし展」というタイトルで展示を行ってくれます。

事業名: gallery wagon「たべのこし展」
日時: 1025日(土)・26日(日)10:0017:00(弘前大学総合文化祭出店)
場所: 弘前大学文京キャンパス正門近く事務局(青い建物)
主催: 弘前アートプロジェクト実行委員会
◎入場無料
問合せ先:NPO法人harappa 
       〒036-8198 青森県弘前市元長町25 行人社2F
       tel.0172-31-0195fax.0172-31-0196
       e-mail.post@harappa-h.org 


出店場所は正門近くなので分かりやすいです!
しかも、あの黄色はひときわ目立ってくれるはずです!
弘大祭にお越しのみなさん!
ぜひgallery wagon「たべのこし展」を見に来てください♪



(harappaスタッフ=太田)


2014年10月21日火曜日

【harappa Tsu-shin】「アートおでん」開催しました♪

みなさん、こんにちは!
弘前公園ではせっかく「菊と紅葉まつり」が始まっているのに、
雨続きで残念ですね。。。

さて!先週の土曜に、
弘前のアートについて語り合う「アートおでん」を開催しました♪
場所はかだれ横丁さんの入口前です!
そう!外です!!
寒空の下、参加者のみなさんだいぶ着込んでがんばりました!

約1年ぶりの登場となった gallery wagon !!
久しぶりに会えてうれしい♪
貼っているのは、建築家 蟻塚学さんのポストカードです♪

こちらは彫刻家 塚本悦雄さんの小さくてかわいい作品たち♪
画像では分かりにくいかもしれませんが、
ウサギやタコの彫刻作品と、
表紙がポップコーンの彫刻になっているアイディアブックです♪

「アートおでん」と銘打っているからには、
やっぱりおでんはかかせません!!

決して食べて、飲んでいるだけではありません!!
参加者一人一人、弘前のアートの現状について、
新しいアイディアについて発表し、みんなで語り合いました!
次回開催も検討してますが、
次回はもう少し暖かい季節に開催したいと思います♪

おまけ。。。
これは外ならではですかね。
秋と言えばさんまです!
やっぱり寒い季節で良かったかも♪



(harappaスタッフ=太田)

2014年10月16日木曜日

【harappa Tsu-shin】「映像クリエイション講座」3時間目♪

みなさん、こんにちは!
食欲の秋、芸術の秋、読書の秋、、、
いろいろとありますが
みなさんはどんな“秋”を楽しんでいますか?

先週末、映像クリエイション講座の3時間目が開催されました!
3時間目となる今回も、NHK Eテレ「テクネ映像の教室」から、
プロデューサーの倉森京子さん、
ディレクターの織田聡さんがお越しくださいました♪
前回の講座で宿題に出されていた映像をみんなで発表♪
どれもみなさんの個性があふれる作品でした!
作品一つ一つに講師の方からコメントやアドバイスをもらえて、
とっても貴重な経験だったのではないでしょうか。

テクネIDの映像をつくるという宿題もあったのですが、
実際に番組に応募した受講生の作品が「ポイント・オブ・ビュー」の回で
「GOOD ID]と「STAF PICK」に選ばれました♪
すごいですねー!おめでとうございます!!

後半は「ストーリーのつくり方」について、
実際にEテレで放送している場組「びじゅチューン!」を題材にお話ししていただきました!
びじゅチューンとってもおもしろいです♪
個人的には「LOVEタージ・マハル先輩」が好きです♪
HPでも見られるのでぜひチェックしてみてください♪

次回の講座の様子もブログでご紹介したいと思います!


「テクネ映像の教室」
2014.9.21【再】テクネ映像の教室
0:30~0:45 ポイント・オブ・ビュー0:45~1:00 同ポジ1:00~1:15 シンクロ※一部の地域は別番組を放送します

「びじゅチューン!」日曜午後5:55放送 




(harappaスタッフ=太田)

2014年10月15日水曜日

【harappa Tsu-shin】 harappa映画館special「イタリア・オペラにようこそ」♪



harappa映画館 special「イタリア・オペラにようこそ ~映画とライブ、至福の一夜~」

みなさん、こんにちは!
心配していた台風もようやく過ぎ去りましたね。
今回は秋の夜長にピッタリなイベントをご紹介します♪

【harappa映画館special 『イタリア・オペラにようこそ』】
 ~映画とライブ、至福の一夜~
第1部 映画「椿姫ができるまで」上映
第2部 ソプラノリサイタル ― 杉原かおり、オペラの名曲をうたう
                   (ピアノ・浅野 清)

日時:2014年11月7日(金)開場17時30分 開演18時
会場:弘前文化センターホール(弘前市下白銀町19-4)
チケット:前売り1,500円 当日2,000円(学生・harappa会員1,000円)
チケット取扱い店:弘前中三、紀伊国屋書店 弘前店、弘前大学生協、
            まちなか情報センター、コトリcafe

今回は映画上映とソプラノリサイタルの贅沢な2部構成です!
前売り券はお得な1,500円ですよ!
ぜひお早めにお買い求めください♪

当日はコトリcafeも出店出張いたします♪
映画上映が終わって、コンサートが始まるまで、
ホワイエにてコーヒー、ワインなどお楽しみいただけます。

問合せ:NPO harappa Tel:0172-31-0195 E-Mail:post@harappa-h.org



(harappaスタッフ=太田)





2014年10月10日金曜日

【越境するサル】 『越境するサル』 №131 「今年出会ったドキュメンタリー 2014年7-9月期」(2014.9.30発行)

2014年7-9月期に出会ったドキュメンタリーについて報告する。
   数多くのテレビ・ドキュメンタリーと出会った。もっとたくさん紹介したかったが、とりあえずこれだけの報告にとどめる。
 

    「今年出会ったドキュメンタリー 2014年7-9月期」

 
   2014年7月から9月までに観たドキュメンタリーを列挙する。映画の方はいつもの通りほとんどがDVDでの鑑賞。スクリーンで観たのは2本。( )内は製作年と監督名と鑑賞場所等、※はテレビ・ドキュメンタリー。
 
   7月・・・『アイ・ウェイウェイは謝らない』(2012 アリソン・クレイマン) 
             『キューティー&ボクサー』(2013 ザッカリー・ハインザーリング)            
             『三姉妹~雲南の子』(2012 ワン・ビン)
 
      『足跡 松本サリン事件20年』(2014 NNNドキュメント)※      
      『裏切りの復興支援隊 消えた12億円の行方』(2014 テレメンタリー)※
             『嗣治からの手紙~画家は、なぜ戦争を描いたのか~』(2014 民教協スペシャル)※
      『戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 第1回~第4回
       (「知の巨人たち」)』(2014 NHKEテレ)※              
      『転んでも、転んでも~三國清三の上海進出1000日~』(2013 ザ・ノンフィクション)※
             『イラク 終わりなき戦争~ある家族 10年の記録~』
       (2014 ドキュメンタリーWAVE 撮影 綿井健陽)※
      『NSA 国家安全保障局の内幕 第1回~第3回』(2014 BS世界のドキュメンタリー)※
             『イノさんのトランク~黒澤明と本多猪四郎 知られざる絆~』(2012 BSプレミアム)※
             『焼き肉ドタンバ物語 追悼編~鉄中さんの遺言~』(2013 ザ・ノンフィクション)※
      『凍りの海 揺れる調査捕鯨』(2014 NNNドキュメント)※      
 
  8月・・・『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』(2013 モーガン・ネヴィル)
             『革命の子どもたち』(2011 シェーン・オサリバン 青森シネマディクト)
             『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013 リティ・パニュ 青森シネマディクト            
 
      『ナチスに立ち向かったユダヤ人先生』(2014 地球ドラマチック)※
      『ルポ 原発作業員 2~事故から3年・それぞれの生活~』(2014 ETV特集)※
      『38歳 自立とは?』(2014 極私的ドキュメント にっぽんリアル)※
      『拳闘こそ我が命~戦争に翻弄されたボクサー ピストン堀口~』(2014 ノンフィクションW)※
      『軍政は何をもたらすのか~タイ 農村改革の行方~』(2014 ドキュメンタリーWAVE)※
             『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』(2014 NNNドキュメント)※
      『“集落的自衛権”~奥能登・農家民宿の挑戦~』(2014 テレメンタリー)※
             『密室-揺らぐ取り調べ-』(2014 テレメンタリー)※
      『激動スコットランド~イギリスからの独立 投票の行方~』(2014 ドキュメンタリーWAVE)※
             『原発事故 国家はどう補償したのか~チェルノブイリ法 23年の軌跡』(2014 ETV特集)※
      『Jストリート~米ユダヤ人社会の新たな道~』(2014 BS世界のドキュメンタリー)※
      
   9月・・・『自由と壁とヒップホップ』(2008 ジャッキー・リーム・サッローム)
             『Traveling Miles カサンドラ・ウィルソン』()
             『映画 中村勘三郎』(2013 松木創      
 
             『遠い祖国~ブラジル日系人抗争の真実~』(2014 BS1スペシャル)※
             『赤井英和 母校に響く復活へのゴング~密着 近大ボクシング部の120日~』
                                   (2014 ノンフィクションW)※
             『死への大脱走の果てに~70年目のカウラ事件~』(2014 テレメンタリー)※
             『シングルマザーハンター』(2013 ザ・ノンフィクション)※
             『兄~おにい~ 妹が撮った筋ジス』(2014 NNNドキュメント)※
      『域外派兵で何がおきたのか~ドイツ連邦軍・アフガニスタンでの13年~』
                               (2014 ドキュメンタリーWAVE)※
             『ベトナム独立の夢を日本に賭けた男』(2013 BS世界のドキュメンタリー)※
      『原発の町 帰還困難区域の四季~福島・大熊町 “じじい部隊”の苦闘~』
                                     (2014 BSプレミアム)※ 
           
   毎回、「私のベストテン」とでも言うべき「収穫」を選んでいるが、2014年7-9月期の印象に残った作品について数本紹介する。まず、映画から。
 
   『アイ・ウェイウェイは謝らない』(2012 アリソン・クレイマン)。北京オリンピックのメインスタジアムの「鳥の巣」を設計した中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイの反骨の生きざまを描くド キュメンタリー。世界的な現代芸術家であるアイ・ウェイウェイは、2008年の四川大地震による校舎倒壊と児童死亡の実態調査に乗り出すが、政府は彼を監 視し、地元警察は彼に暴行を加える。だが、脳内出血の手術にまで追いこまれながら、彼は表現の自由を求め当局と闘い続ける…「天安門」後の中国の表現者た ちの姿を私たちは注視しよう。それにしても、アイ・ウェイウェイのふてぶてしさ、個性の印象は強烈だ。
 
   『キューティー&ボクサー』 (2013 ザッカリー・ハインザーリング)。ニューヨーク、ブルックリン。1969年渡米したジャンクアート、「ボクシング・ペインティング」アーティスト篠原有司 男(通称ギュウチャン)。80歳になる彼は、いまも自身の絵画と彫刻を追求し続ける。そして、その妻・乃り子。ギュウチャンの渡米から3年後、19歳の 時、美術を学びにやってきたニューヨークで彼と出会い、恋に落ち、結婚。長い間、妻として、母として、またギュウチャンのアシスタントとして家庭を支えて きた。しかし、彼女もついに自らを表現し始める。夫婦の40年の歴史を、自らの分身であるヒロイン“キューティー”に託したドローイングの発表…夫婦の二 人展の企画に向かっていく彼らの日常と創作現場を追った、最高のラブ・ストーリー。
 
   『三姉妹~雲南の子』(2012 ワン・ビン)。山形国際ドキュメンタリー映画祭を席巻した『鉄西区』・『鳳鳴』、そして劇映画『無言歌』のワン・ビン監督が、中国・雲南地方の寒村に暮らす幼い3姉妹の日常を追ったドキュメンタリー。両 親不在の中、長女10歳・次女6歳・三女4歳の3姉妹は、親戚家族に助けられながらも、農作業と家畜の世話を行い、子どもだけで生活している。やがて父が 戻り下の娘たち2人を町に連れて行くことにするが、長女はそのまま村の祖父の家に残る…厳しい環境に生きる長女インインの日常が淡々と、当たり前の生活と して私たちの前に示される。そこにいくつもの小さなドラマがあることに私たちは気付くが、彼女の将来について見通すことはできない。ただ、彼女が生きてい く姿を観るだけだ。
 
   『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』(2013 モーガン・ネヴィル)。原題は『20 Feet from Stardom』。1960~90年代、音楽界のトップスターを影で支えてきたのはバックシンガーの女性たちだ。しかし、数々のヒット・ソングで記憶に残 るメロディラインを歌っていた彼女たちの名前が知られることはほとんどない。スターたちの影に隠れていた実力派の彼女たちにスポットライトを当て、その人 生を多くの証言と映像でつづった本作は、アカデミー賞(長編ドキュメンタリー部門)を獲得した。登場する歌姫たちは、ダーレン・ラヴ、メリー・クレイト ン、ジュディス・ヒル、リサ・フィッシャー他多数。また、ブルース・スプリングスティーン、ミック・ジャガー、スティーヴィー・ワンダーらトップミュージ シャンも彼女たちについて熱っぽく語る。
 
   『革命の子どもたち』(2011 シェーン・オサリバン 青森シネマディクト)。ドイツ赤軍(バーダー・マインホフグループ)のウルリケ・マインホフ、日本赤軍の重信房子。ふたりの女性革命家にはそれぞれ娘がい た。ベティーナ・ロールと重信メイが自分たちと母の人生について語る、貴重な歴史の証言。28歳まで無国籍状態を余儀なくされていた重信メイの、まさに現 在形と言うべき生きざまに共感を覚える…映画監督足立正生、元赤軍派議長塩見孝也、現在獄中の重信房子の弁護士大谷恭子、3人に対するインタビューも興味 深い。監督はアイルランドのドキュメンタリー作家シェーン・オサリバン。彼にインスピレーションを与えた故若松孝二監督が、この作品の日本公開時に存在し ていないことが、ひどく理不尽なことのように思える。
 
   『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013 リティ・パニュ 青森シネマディクト)。 以下、『越境するサル』№130より。「プノンペン生まれの監督リティ・パニュは、1975~79年のポル・ポト率いるクメール・ルージュ支配下のカンボ ジアで少年時代を送った。同時代の人々と同じく、クメール・ルージュによる強制労働キャンプで飢餓と過労によって家族を失い、1979年、タイとの国境を 抜けて逃亡、自らは生きのびた。その後フランスに移住し、やがて映画監督となる。ポル・ポト時代のカンボジアを題材とする多くのドキュメンタリーを発表 し、そのうちの何本かは『山形国際ドキュメンタリー映画祭』に出品され高い評価を得ている。『消えた画 クメール・ルージュの真実』は、ポル・ポト時代の自分と家族の物語を、犠牲者が葬られている土から作った人形で再現しようとする試みである。映像に残され ていない家族の記憶は甦るのか…2013年カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉グランプリ受賞、本年度アカデミー賞外国映画賞ノミネート、ドキュメンタリー と劇映画の境界を越えた衝撃作。」
 
   『自由と壁とヒップホップ』(2008 ジャッキー・リーム・サッローム)。イスラエル領内パレスチナ人地区。イスラエル建国後もこの地で生き続けるパレスチナ人(彼らは「48年組」と呼ばれる)の若者たちが結成した、史 上初のパレスチナ人ヒップホップ・グループ「DAM」。 占領・貧困・差別により生きる意味を見出せずにいる若者たちへ向けて彼らは言葉を発信し、 パレスチナのヒップホップ・ムーブメントを牽引する。音楽の力によって現状を打破しようとする彼らのムーブメントは、占領地であるガザ地区とヨルダン川西 岸地区(両地区のパレスチナ人たちは「67年組」と呼ばれる)の若者たちにも刺激を与え、各地にヒップホップ・グループが生まれるようになる。やがて DAMは、分離壁や検問所によって往き来もままならない分断状況の中、各地で活躍するパレスチナ人ヒップホップ・グループを集めたライブを開こうと試み る…監督は自身もパレスチナにルーツを持つアラブ系アメリカ人の女性アーティスト。 
 
   テレビ・ドキュメンタリーからも数本。
 
   『戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 第1回~第4回(「知の巨人たち」)』 (2014 NHKEテレ)。戦後70年を迎えようとする日本。NHKは、新たな証言で構成する「戦後史証言プロジェクト」を2013年7月からスタートさせた。この プロジェクトの柱、Eテレの大型シリーズ「日本人は何をめざしてきたのか」2014年7月は「知の巨人たち」(第1回~第4回)。「第1回 湯川秀樹と武谷三男」は、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹、その共同研究者武谷三男ら物理学者たちが「原子力」とどう向き合ってきたかを検証する。 「第2回 鶴見俊輔と『思想の科学』」は、終戦の翌年創刊された『思想の科学』に集った人々を全国に訪ね歩き、戦後日本の市民たちの姿を浮かび上がらせる。「第3回 丸山眞男と政治学者たち」は、出征と被爆体験を経て8月15日を迎え、戦後の論壇をリードした丸山眞男の政治学について、未刊行資料や録音テープ、弟子た ちや批判者の証言を通して探る。「第4回 二十二歳の自分への手紙~司馬遼太郎~」は、その著作で幕末から明治の国民国家の歴史をたどりながらも、昭和の戦争を書くことなくこの世を去った司馬遼太 郎の思索の足跡を、生前のインタビューと関係者の証言でつづる。              
 
   『NSA 国家安全保障局の内幕 第1回~第3回』(2014 BS世界のドキュメンタリー)。 2013年5月、アメリカ国家安全保障局(NSA)の契約局員エドワード・スノーデンは、アメリカ政府による電子諜報活動に関する膨大な極秘データを持っ て香港に逃亡、メディアに国家機密を暴露し世界に衝撃を与えた。この暴露を初めて報道したジャーナリストの証言から始まる「第1回 大規模監視プログラムの始動」は、NSAによる監視プログラム開発の経緯をつづる。「第2回 内部告発」は、政府と内部告発者たちの攻防を、「第3回 侵害されたプライバシー」は、IT企業と監視プログラムの関係を、詳細につづる。このシリーズによって、私たちはスノーデンの告発の意味を知ることにな る。
 
   『38歳 自立とは?』(2014 極 私的ドキュメント にっぽんリアル)。ディレクターが自分自身や家族を撮影対象にしたNHKBSプレミアムのセルフドキュメンタリーシリーズ「極私的ドキュメント にっぽんリアル」。今年5月と6月、合わせて4本放送されたシリーズの第1回の再放送。「今年38歳になる僕はずっと両親に“寄生”しながら生活してき た。そんな時、父が突然失業した。しかも退職金ゼロ。僕は40歳を目前に自立を迫られた。僕の自立はいかに?」というのが、「NHK ONLINE」番組表の紹介だが、この「僕」、つまりこのドキュメンタリーのディレクター佐藤寛朗氏は、ドキュメンタリー関連情報で私が一番世話になって いる「neneo web」(http://webneo.org/)の編集部(雑誌とメルマの「neneo」も)の佐藤寛朗氏。結果的に、ドキュメンタリーに関する良質な批評媒体である「neneo」の舞台裏を観てしまったわけだが、それはそれとしてこの作品はとにかく面白い。わずか30分だが、要注目のシリーズ。
 
   『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』(2014 NNNドキュメント)。1954 年、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」の被曝が世界に報じられた。アメリカの太平洋での核実験によるものだ。被害は「第五福竜丸」だけではなかった。しかし 事件から7ヶ月後、被曝マグロが続々と水揚げされる中、日本政府は突如、放射能検査を打ち切った。南海放送(愛媛県)は一昨年、『放射線を浴びたX年後』 を放送し被曝した魚の水揚げと放射性物質の汚染の実態を伝えた。このテレビドキュメンタリーは劇場用映画『放射線を浴びたX年後』(2012 伊東英朗監督)に結実し、現在も各地で上映が行われている。今回の続編では、前作の中でも大きな役割を果たした、約30年間にわたり国内の被曝の実態を調 査してきた高知県の元高校教諭が、爆心地に近い沖縄の調査に向かう。そして聴き取りの中で、アメリカ軍による放射能検査の非科学性が明らかになっていく…
 
   『遠い祖国~ブラジル日系人抗争の真実~ 前・後編』(2014 BS1スペシャル)。(2014年8月に放送されたものだが、9月の再放送で観ることができた。)終戦後、ブラジルの日系社会では、日本の勝利を信じる 「勝ち組」と敗戦を受け入れる「負け組」が対立し、やがて死者をも生み出す抗争へと発展した。なぜこのような悲劇が起こったのか。移民たちの証言から、開 戦後連合国側のブラジル取り残された移民たちの弾圧の記憶と戦後の混乱の記憶が明らかになる…
 
   『兄~おにい~ 妹が撮った筋ジス』(2014 NNNドキュメント)。 この作品の監督は、大阪芸術大学4年の米田愛子さん。現役の学生が制作・監督した作品を放送するのは「NNNドキュメント」史上初となる。筋ジストロ フィー患者である彼女の兄は、病気の進行や体の苦痛にもかかわらず、仕事をこなし友人たちと付き合い、ポジティブに生きている。実の妹ならではのストレー トなインタビューで描かれた、兄の実像。JPPA(日本ポストプロダクション協会)賞受賞。 
 
  さ て、「7-9月期」のテレビドキュメンタリーについて報告するこの通信の中で、言及しなければならない番組がある。2014年7月27日に放送された NHKスペシャル『調査報告 STAP細胞 不正の深層』である。「史上空前と言われる論文の捏造」と告知されていたこの番組は、『ネイチャー』誌に掲載されたSTAP細胞に関する論文の発表から撤 回に至るまでの一連の騒動を検証しているが、「不正」を前提とした番組作りや、小保方氏とその上司である笹井氏の私的なメールの扱い、放送の4日前に小保 方氏がNHK取材スタッフが追跡取材を受け負傷したこと、そして8月5日に笹井氏の自殺が発見されたこと等々で数多くの批判がNHKに対してなされた。私 も、この番組の内容に「悪意」と「アンフェアではないか」という感じを持ったが、のちに番組の最後に制作スタッフのクレジットが出なかったことを知り、さ らに疑問は大きくなった。「NHKスペシャル」は(前身の「NHK特集」も含めて)私のドキュメンタリー鑑賞の原点であり、この番組に対する「検証」を避 けるわけにはいかない。今後、「NHKスペシャル」の紹介は幾分慎重になるだろうか… 
 
   最後に、国内の主なテレビ番組コンクールで高い評価を受けたドキュメンタリー番組を紹介し、まとめて放送する「ザ・ベストテレビ」についてふれたい。今年 も、各コンクールで最高賞を受賞した6番組を全編放送。その他の優秀作品などもダイジェストで紹介。ゲストは森達也(映画監督・作家)と古市憲寿(社会学 者)。放送はNHKBSプレミアムだが、もちろんNHK・民放両方の作品を紹介している。
   「第一部」9月28日(日)。第68回文化庁芸術祭賞テレビ・ドキュメンタリー部門大賞「みんなの学校」(関西テレビ放送)、平成25年日本民間放送連盟 賞(テレビ教養番組)最優秀「キ・ボ・ウ~全村避難 福島県飯舘村二年の記録~」(福島テレビ)、平成25年日本民間放送連盟賞(テレビ報道番組)最優秀「ヒロシマの山~葬られた内部被ばく調査~」(中国放 送)、第40回放送文化基金賞(テレビドキュメンタリー番組)最優秀賞「ETV特集『三池を抱きしめる女たち~戦後最大の炭鉱事故から50年~』」 (NHK)。
   「第二部」9月29日(月)。第33回「地方の時代」映像祭グランプリ「死の棘~じん肺と闘い続ける医師~」(静岡放送)、第30回ATP賞グランプリ「零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争~」(NHKエンタープライズ、かわうそ商会、NHK)。
   録画はしたものの、ひとつひとつを鑑賞する余裕はない。10月以降、いくつかをチェックすることになる。
 
 
<後記>
   ドキュメンタリーを鑑賞したことを記録し続ける。それが日課となりつつある。しばらくはこれが基礎的作業となる。

   次号は、ふたたび「珈琲放浪記」となりそう。札幌か小樽…



(harappaメンバーズ=成田清文)

※『越境するサル』はharappaメンバーズ成田清文さんが発行しており、個人通信として定期的にメールにて配信されております。

【harappa Tsu-shin】 「アートおでん」♪


みなさん、こんにちは!
すっかり、寒くなりましたねー!
寒い季節にはやっぱりおでんですよね♪

来週末、弘前のアートにまつわる座談会「アートおでん」を開催します♪

たくさんの具材を煮込むおでんのように、たくさんのアイディアを持ち寄り、おでんの似合う秋の寒空の下、gallery wagonを囲み、弘前のアートについて熱く語り合います!!
弘前のアート発展の為に集まった弘前アートプロジェクト実行委員のメンバーが、弘前のアートの現状について、わいわい、がやがや、楽しく飲食をしながら、意見交流会を行います。当日飛び入り参加も大歓迎です!みなさんのアイディア、一緒に煮込みましょう!

日時: 10月18日(土)18:30-21:00
場所:かだれ横丁入口前(屋外)
参加予定者:塚本悦雄(弘前大学美術講座准教授・彫刻家)、
      蟻塚学(建築家)、
      弘前アートプロジェクト実行委員会メンバー 他
主催:弘前アートプロジェクト実行委員会
  (弘前市アートスペース創出事業)

◎当日参加自由
※寒いです!風邪をひかないように、暖かい格好でお越しください。

問合せ先:NPO法人harappa 弘前市元長町25 行人社2F
tel.0172-31-0195/fax.0172-31-0196
e-mail.post@harappa-h.org URL. http://harappa-h.org/




(harappaスタッフ=太田)

2014年9月17日水曜日

【harappa Tsu-shin】弘前は「りんご王国」♪


りんご王国(弘前市)

みなさん、こんにちは♪
朝晩はすっかり寒くなって、もう秋ですね。
秋と言えば、実りの秋!
りんごの秋です!

去年のりんご王国建国宣言から、
早一年。。。

「りんご王国」のHPが完成しました♪
HPでは「りんご王国」についてはもちろん、
王さまのこと、大臣のこと、
りんご王国のオススメがたくさん紹介されています♪

みなさんぜひ「りんご王国」で検索してみてください!
まだ1番上には出てきませんが、
上から7番目位に出てくるかと思います。
1番上を目指して、みなさんのご協力お願いします!

また、弘前市内の小学生から探していた王さまも、
今回なんと3人の王さまを見つけ出すことができました!

つきましては、今週末のりんご収穫祭の中で戴冠式を行います♪

【りんご王国 戴冠式】
日時:2014年9月20日(土) 9時30分頃~
場所:弘前りんご公園

王さまはもちろん、
大臣や馬車も登場しますよ♪

みなさん遊びにきてください♪



(harappaスタッフ=太田)

2014年9月16日火曜日

【越境するサル】No.130 「『越境するサル』的生活 2014 ~青森市古川界隈を彷徨う~」(2014.8.31発行)

  8月下旬の休日、ある映画を観るために青森市を訪れた。日常的に訪れている街で、しかも3日前まで研修で滞在していたから、何も目新しい出来事ではない。 今までも、この街のあるエリアを歩くことによって、自分の思考を整理したり、あるいは今後のヒントを得たり、また単純に街そのものに癒されてきた。そのエ リアを「青森市古川界隈」と呼んでおくが、この「お気に入り」の街での1日(半日ほどだが)を、そして自分の思考と記憶の流れを、記述してみようと思う。
 

      「『越境するサル』的生活 2014 ~青森市古川界隈を彷徨う~」


   午前11時43分、単線ゆえの列車交換のため2分遅れで、特急「つがる3号」は青森駅に到着した。
往復ともに特急を使おうと決めていた。時間の問題ではな い。座席でゆったりと地図を広げ、本を読み、原稿の下書きができる、そんな快適な列車の旅がしたかった。往復1020円分の贅沢。

   観光客でそれなりに賑わう駅から、まっすぐに駅前複合施設「アウガ」に向かう。地下が市場、1~4階がテナントのこの施設の6~8階に青森市民図書館が 入っている。年に何度か、ここに立ち寄って文芸誌のバックナンバーをチェックするのが慣例となっていたが、時おり気になる評論と出会うことがある。バック ナンバーは貸し出し中の場合もあるわけだから、そういうときは文字通り「幸運な出会い」と言っていい。
   この日、真っ先に手に取ったのは『新潮』の最新号(2014年9月号)だった。そして、書評「『有限性の近代』を生き抜くための処方箋― 加藤典洋『人類が永遠に続くのではないとしたら』を読む」(上村忠男)の次の箇所が目にとまった。「加藤が敬愛してやまぬ吉本隆明のうちにも根づいていた 信憑」「すなわち、原発をもたらした原子力エネルギーの解放は人類が開発した科学技術の一大達成であって、それによって生じる問題には科学技術をいっそう 発展させることで対処する以外にない、という信憑」「その信憑が三・三一の原発事故をまのあたりにして瓦解してしまったことを加藤は認めざるをえなくされているのだ」…そうだ、加藤典洋だ。加藤典洋を読むべきだったのだ…

   「3.11」以後、夥しい数の言説のなかで、ずっとうろたえている自分がいた。とりわけ若い頃から読み続けていた思想家・吉本隆明の「反・反原発」のスタ ンスに、どうしても納得することができず、彼の死(2012年3月)に際して私はその時点での自分の思いを文章にした(※注1)が、何かが欠落しているよ うな感覚は残り続けた。
   むろん、吉本に対する根本的な批判の書も巷にはあふれていて、それはそれで説得力を持つものではあったが、私が読みたかったのは、かつて吉本の思想を全身 で受け止めていた人々が現在の吉本と格闘する姿であった。真摯に、誠実に、思想と向き合ってきた人々が、吉本に対してだけは「頑固な」とか「ブレがない」 という言葉でお茶を濁し、彼の誤謬の可能性に触れようとしない…そのように私には思われた。
   そこへ加藤典洋である。『敗戦後論』(1997)以来、私は加藤の誤謬をおそれない提起の数々を、共感と反感の入り混じった気持で読み続けてきた。しばらく離れていたが、再び読み始めよう。そう思わせただけで、今回青森市民図書館に来た意味はあった。この後私は、『3.11 死に神に突き飛ばされる』(2011 岩波書店)・『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(2013 岩波書店)・『人類が永遠に続くのではないとしたら』(2014 新潮社)と、続けて読むことになる…

   実は、春にも同じような出会いがあった。5月のことだ。
   その日も、『すばる』・『群像』・『新潮』それぞれ何冊かのページをめくり、目次に目を通した後、『文學界』を4冊ほど手に取って長椅子に腰掛けた。たし か、台湾の映画人呉念眞について四方田犬彦が書いている評論があったはずだったが、その4冊の中にはなかった。しかし、ある連載評論が目にとまった。柄谷 行人「遊動論 山人と柳田国男」。ここから、柳田国男をキーワードとする小さな旅が始まった。
   まず、柄谷行人の連載評論をまとめた『遊動論 柳田国男と山人』(2014 文春新書)をすぐさま購入し、自分の柳田に対する思いを確かめるように読みふけった。ちょうど、NHKEテレ『100分de名著』5月の放送が『遠野物 語』だった。私は2012年に遠野を訪れていたが(※注2)、その記憶を想い起こしながら、柳田の世界にしばし浸った。この小さな旅は、柳田についての評 論のアンソロジーである『文芸読本 柳田國男』(1976 河出書房新社)の再読を経て、柄谷行人編集の柳田作品アンソロジー『「小さきもの」の思想』(2014 文春学藝ライブラリー)の購入で一段落した。いつかまた柳田に向かう準備は出来た。

   ところで私は、柳田と並行して、『遊動論』の隣の棚で見つけた『谷川 雁』(松本輝夫 2014 平凡社新書)の購入をきっかけに詩人・「工作者」であった谷川雁の年譜を確認し、さらに丸山眞男の著作と年譜の確認の作業も行っている。
   何度も何度も繰り返し読んだ吉本の『共同幻想論』(1968)の素材として扱われた『遠野物語』、同じように繰り返し読んだ吉本の『丸山真男論』 (1963)で分析の対象とされた丸山眞男、とりわけ彼の主要著作である『日本政治思想史研究』(1952)、吉本の同人誌『試行』開始時の盟友であった 谷川雁。そう、私は半ば無意識的に、吉本隆明を相対化するためのスタート地点に向かおうとしていたのだ。 そして、今回の加藤典洋である…

   もう、とっくに、昼飯の時間だった。

   「アウガ」の「ニコニコ通り」口を出て、急ぎ足で古川1丁目の「青森魚菜センター」へ向かう。話題の「のっけ丼」で 新鮮な刺身を満喫しようとも思ったが、3日前に研修旅行の昼飯ですでに味わっていた。思い切って、「青森魚菜センター」裏通りへ。数軒並んでいる小屋がけ の店のひとつ、惣菜と「伝説のおにぎり」の店を目指す。午後だというのに、奇跡的に出来たての焼きおにぎり(サケのほぐした身をまぶした)を入手。これ で、昼飯は完了。次は、珈琲だ。

   青森市で珈琲を飲もうと思ったら、「カフェ・デ・ジターヌ古川店」だ。食事を考えたら、あるいは語り合う場所として使うなら、他にいくつもふさわしい店は ある。だが、珈琲を飲むことだけを目標にするのなら、この店しかない。古川1丁目ニコニコ通り、青森駅までわずか数分。場所も便利だ。
   迷わず「マンデリン・ブルーバタック」を注文する。マンデリンではあるが、こちらの先入観をくつがえすクリーンな切れ味。苦く重いマンデリンもいいが、こ ういう喉ごしのマンデリンもなかなかだ。実はこの2年ほど、この店では必ずこの銘柄と決めている。自家製のビスコッティもいい。ようやく、リラックスして 街に馴染んできた自分がいる。
   次に向かう「シネマディクト」の上映時間予定表と、10月に板柳街で開催される「クラフト小径 2014」(「カフェ・デ・ジターヌ」も出店するそうだ)のチラシを入手して、いよいよ映画に向かう…

   午 後2時過ぎ、同じく古川1丁目の映画館「シネマディクト」到着。夜店通りと国道が出会う角。昔の「奈良屋劇場」である。ひさしぶりに階段で3階まで上っ た。壁に貼られた夥しい数のポスターたちに見つめられながら、徐々に映画モードになっていく自分がわかる。お目当ての映画は、『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013 リティ・パニュ監督)。土人形で歴史を再現した、「ドキュメンタリー」である。

   この春から「シネマディクト」で4本のドキュメンタリーを観た。『ある精肉店のはなし』(2013 纐纈あや監督)・『ROOM 237』(2012 ロドニー・アッシャー監督)・『アクト・オブ・キリング』(2012 ジョシュア・オッペンハイマー監督)・『革命の子どもたち』(2011 シェーン・オサリバン監督)の4本 である。それぞれの内容は季刊となった「今年出会ったドキュメンタリー」(『越境するサル』)で紹介している(あるいは紹介予定)のでそちらを参照してほ しいが、地方の映画館でドキュメンタリーを観ることができるようになったことは特筆に値する。もちろん、それぞれがそこそこの話題作であるから可能なプロ グラムなのだが。いずれ定期的にドキュメンタリーの上映会を弘前で企画しようと考えている私にとって、大きな刺激だ…

   最近「シネマディクト」で出会った作品はドキュメンタリーだけではない。もともと、ミニシアター系の劇映画を観るためにこの映画館に通い始めたと言ってもいい。
   6月、前述の『アウト・オブ・キリング』と同日、『そこのみにて光輝く』(2014 呉美保監督)を観た。原作者の佐藤泰志(函館出身)を追いかけ続けてきた(※注3)私にとって、この映画はどうしても観なければならないものだった。それも全国封切りからあまり遅くならないうちに。佐藤泰志原作最初の映画化作品『海炭市叙景』(2010 熊切和嘉監督)の際には、先行上映のために函館まで足を運んでいた。今回は日程的に函館行きが難しかったので、「シネマディクト」での上映はありがたかった。
   1989年河出書房新社から刊行された著者唯一の長編小説『そこのみにて光輝く』は、三島賞候補作であり、文句なく彼の最高傑作である。北の街(もちろん 函館だ)の夏、争議の続く「造船会社」をやめた主人公達夫が、バラックに住む女千夏と運命的に出会う物語。多くの評者が指摘するように、「出会いの描き 方」の魅力は同時代の作家たち(中上健次や村上春樹や立松和平)をしのぐのではないかと思わせる作品だ。背景に「差別」の問題が見え隠れしていることもあ り、映画化は難しいのではと思っていたが、ぜひ映画化されたものを観てみたいとも思い続けていた。
   そして映画『そこのみにて光輝く』。設定は多少変更されているが、「出会いの描き方」は原作同様魅力にあふれ、さらに佐藤泰志独特の「運命を引き受ける決 意」も原作以上に表現されていると感じた。監督呉美保、脚本高田亮、撮影近藤龍人、このようにしてひとつの小説が映画として作られていくのだと納得させる スタッフの力。そして達夫役の綾野剛、千夏役の池脇千鶴、その弟役菅田将暉の存在感。映画を観た後の高揚感は、いまだ続いている…

   さて、『消えた画 クメール・ルージュの真実』である。

   プノンペン生まれの監督リティ・パニュは、1975~79年のポル・ポト率いるクメール・ルージュ支配下のカンボジアで少年時代を送った。同時代の人々と 同じく、クメール・ルージュによる強制労働キャンプで飢餓と過労によって家族を失い、1979年、タイとの国境を抜けて逃亡、自らは生きのびた。その後フ ランスに移住し、やがて映画監督となる。ポル・ポト時代のカンボジアを題材とする多くのドキュメンタリーを発表し、そのうちの何本かは「山形国際ドキュメ ンタリー映画祭」に出品され高い評価を得ている。『消えた画 クメール・ルージュの真実』は、ポル・ポト時代の自分と家族の物語を、犠牲者が葬られている土から作った人形で再現しようとする試みである。映像に残され ていない家族の記憶は甦るのか…2013年カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉グランプリ受賞、本年度アカデミー賞外国映画賞ノミネート、ドキュメンタリー と劇映画の境界を越えた衝撃作だ…

   すぐれた作品に出会った時、圧倒され打ちのめされて、しばらく呆然としてしまうことがある。最近では『アクト・オブ・キリング』(2012 ジョシュア・オッペンハイマー監督)に出会った時がこうだった。映画館を出た後、しばらく古川界隈を歩き回り、余韻を味わう。まだ午後4時台。日暮れまで、帰りの特急の発車時刻までたっぷり時間があった…

   午後5時、私は、中央古川通りの居酒屋『侍』に居た。この店も含めて、「アウガ」を出てからすべて古川1丁目。『侍』は、青森市勤務時代、職場の同僚たち と通っていた店だ。32歳から43歳まで、まだ体力に任せてがむしゃらに生きていた時代…その後も何度か顔を出していたし、実はこの週にも訪れていたのだ が、店の開店と同時に入ると、妙に感傷的になってしまう。あれから16年か…
   お通しの「イカバター焼き」をつまみながら、生ビールで喉を潤す。店の定番「ホタテ味噌焼き」といきたいところだったが、「宗八ガレイの唐揚げ」を頼んで いた。「ホタテ味噌焼き」は次でいい。今日はそのあと、「馬刺し(金木産)」で日本酒を銚子1本だけ飲んで、駅に向かおう。午後6時46分発「つがる10 号」。まだもう少し時間がある。女将さんと昔話をしながら、酒をすすっていると、外からねぶた囃子が聞こえてきた。町内のねぶたの運行があるのだと言う。 店の外に出て、ねぶたの行列を待ち受ける。まるで旅人のようだと思う。行列が通り過ぎたら、駅へ向かう…

   本と、珈琲と、映画と、酒と。いつもと同じようで、いつもと違う、1日が暮れていく。

   
(※注1)   『越境するサル』№102「『越境するサル』的生活 2012~吉本隆明の死と『リトル・ピープル』と~」参照。 
  http://harappa-h.org/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=516

(※注2)   『越境するサル』№105「旅のスケッチ~『遠野物語』の故郷へ~」参照。   
 http://harappa-h.org/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=527

(※注3)   佐藤泰志について過去に書いたものは、次の『越境するサル』№92「『海炭市叙景』、函館先行上映」を参照してほしい。<付録>として、№39「佐藤泰志、きみの鳥はうたえるか?」と№65「『佐藤泰志作品集』、17年ぶりの再デビュー」の2本も収めている。  
 http://harappa-h.org/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=336


<後記>

   今年の「『越境するサル』的生活』」は、青森市での1日についてである。ここ数年は、古川界隈だけでほとんど用事が済んでいるので、いつかそのあたりを書 かなければと思っていた。書きながら、自分の中に愛着のような感情が芽生えてきた。特に、居酒屋『侍』の存在は、日々大きくなり続けている。自分にも、 「懐かしい店」がある。しかもまだ現在形だ…まあ、ただのセンチメンタリズムだが、それでいい。    次号は、「今年出会ったドキュメンタリー」。テレビドキュメンタリーの比重は、ますます大きくなりそうだ。

(harappaメンバーズ=成田清文)

※『越境するサル』はharappaメンバーズ成田清文さんが発行しており、個人通信として定期的にメールにて配信されております。

2014年8月8日金曜日

【harappa Tsu-shin】こども映画教室@ひろさき2014♪

2004年に金沢から始まった「こども映画教室」
こどもたちだけで、しかもたった3日間で映画をつくるという、
とっても楽しそうなイベントですが、

7月25・26・27日と今年の夏は弘前でも開催されました♪

初めは緊張気味だったこどもたちも、
あっという間に仲良くなり、
とても賑やかな現場になりました♪

まずは、今回の講師である青森市出身の横浜聡子監督のお話を聞き、
班に分かれて、映画づくりがはじまりました。

横浜監督が今回の映画づくりにだしたテーマは“ひみつ”です。
こどもたちは自分たちの“ひみつ”を教え合ったりしながら、
映画のお話づくり♪

お話を作ったら、
さっそくカメラやマイクの使い方を勉強です♪

2日目は早速、撮影開始です!
各班、弘前市内の思い思いの場所で撮影をしました。

撮った映像をチェックしながら、
何度も撮り直したり、、、

炎天下の中での撮影。。。

どんなに暑くても、こどもたちは元気!
そして真剣です!!

3日目。
今まで撮った映像をチェックします。

そして、編集作業!
どんなお話になってるかな?

映画のポスターも自分たちでつくりました♪

みどりチーム「悪魔の呪いの謎」

あおチーム「魔法使いのかくしごと」

あかチーム「イタズラレンジャーⅤ」

きいろチーム「みんなのひみつ林家バージョン」

各班、おもしろい映画が無事に完成しました!
どのチームも気になるタイトルでしょ?

できたてほやほやの映画で上映会も行いました♪
中央高校の講堂でお父さんやお母さんたちも見に来てくれました♪
各チームの上映&舞台挨拶です!

最後はみんなで記念撮影♪
お話づくり、小道具づくり、撮影、編集、ポスター作り、上映会と、
とてもハードな3日間でしたが、
参加してくれたこどもたちも、おとなスタッフも、
楽しい3日間となりました♪



(harappaスタッフ=太田)