6月末から7月、JRの「大人の休日」を利用して、妻と東京・鎌倉・仙台を訪れた。博物館・美術館・観光名所…目的はいろいろあったが、せっかく旅に出たのだからやはり「珈琲放浪」は外せない。
「珈琲放浪記~北鎌倉にて~」
紫陽花の名所、北鎌倉明月院から上り坂の道を歩くこと数分、たかだか300メートルほどの距離だが、坂道のせいで随分きつく感じられる。ようやく店を発見し、さらに急な階段を上り、ドアを開け、ついにたどり着いた「石かわ珈琲」…出発前から、必ず訪れようと心に決めていた店だ。
その前日の昼、東京上野に到着。東京国立博物館本館の「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」に向かい、「奈良中宮寺国宝半跏思惟像」と「韓国国立中央博物館韓国国宝78号半跏思惟像」、たった2体だけの崇高とさえ言える展示に満足し、さらに東京国立博物館平成館の「古代ギリシャ 時空を超えた旅」で古代ギリシャ彫刻の圧倒的な迫力を満喫した。
夕方は、念願の浅草「駒形どぜう」。「どぜう鍋」と「どぜう蒲焼」・「鯨竜田揚げ」とビールで江戸気分を味わい、その後隅田川沿いを歩き東京スカイツリーを目指すという、修学旅行なみのタフなスケジュール。
翌朝、上野のホテルを出発しJRを乗り継いで北鎌倉へ。円覚寺からスタート、昼食をはさんで雑貨店やギャラリーをのぞきながらひたすら歩き、明月院に着いたのが午後1時少し前。そして、旬を過ぎたとはいえ見事な紫陽花が咲き誇っていたことを思わせる明月院の庭をあとにして、「石かわ珈琲」へと向かったのだ。
古民家を改装した落ち着いた雰囲気の店内に入ってすぐ、アイスコーヒーを注文する。歩き続けたせいで汗だくだった。とにかく冷たい珈琲が飲みたかった。
自家焙煎の店「石かわ珈琲」には「あじさいブレンド(中煎り)」・「めいげつブレンド(中深煎り)」・「きたかまブレンド(深煎り)」の3種類のブレンドがあるが、アイスコーヒーは深煎りの「きたかまブレンド」を使用している…しばらくして運ばれてきたアイスコーヒーをまず一口、芳醇な香りが広がる。そしてすっきりとした苦み、かすかに感じる酸味…ひたすら苦く重いアイスコーヒーを求めてきた私だが、この初体験ともいえる心地よさはうれしい。
弘前に帰ってからもこの味を確かめたかったので、「きたかまブレンド」200gを購入。さらに「マンデリン・オナンガンジャン(深煎り)」も200g購入。もちろん豆のまま。しばらくの間、この2種類をホットとアイスで試すことになる。
このあと、鎌倉鶴岡八幡宮まで歩き、小町通を散策し、江ノ電で長谷の鎌倉大仏を訪れ、横浜中華街を経由して上野に帰った。タフなスケジュールは続く…
さて、「石かわ珈琲」を味わった次の日、「ミカフェート アトレ吉祥寺店」でアイスコーヒーを、さらにその次の日、立ち寄った仙台「まつりか」で「プレミアム
トアルコトラジャブレンド 」を味わったが、これについて語るのはまた別の機会にする。
帰ってからずっと、朝も昼も「石かわ珈琲」を飲み続けている。
<後記>
今回の報告もまた、速報のようなものにした。この4日間の旅では珈琲以外にもさまざまなものと出会ったが、それらについては別な形で語られるだろう。
次号以降については、いろいろなことを考えている。そろそろ、映画について、台湾について、そして思想について、じっくりと書く必要があるとは思っているのだが…
なお、明日(7/12)、佐藤泰志原作映画第3弾『オーバー・フェンス』(山下敦弘監督)完成披露上映会のため函館へ向かう。これについても、何らかの形で報告することになるだろう。
(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。
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