2015年7月31日金曜日

【harappa Tsu-shin】「映像クリエイション講座」開催しました♪

みなさん、こんにちは♪

先週末に開催した「映像クリエイション講座」の様子をご報告します♪

今回の講師は美術家・映像ディレクターの山城大督さん。
参加者は17名。
映像作品をつくって、Youtubeにアップするまでを3日間で行うという
とっても内容の濃いワークショップでした♪

まずは、自己紹介や映像についてお勉強。

次にビデオカメラの使い方。

県美の外で実践中。。。くもりだけど暑かったです。
でも、みなさん真剣です。

 次は映像編集のお勉強。
 各々が撮りたい映像について企画会議。
 山城さんが一人一人のアイディアに、真剣にアドバイスをしてくれました!
 そのあとは、撮っては編集、撮っては編集の2日間です。

映像クリエイション講座のメイキングを撮影中。

台車を使ってカメラアングルを確認中。

ランプを撮ってます。どんな映像になるんでしょう。。。

2人ともとっても楽しそう♪

山城さんがポーズを決めてますね♪

映像編集をしている隣で、工作がはじまってます!

お手製のグリーンバック!!

パソコンを持って走ってる。。。しかも叫んでる。。。

一人で撮影中のようです。。。気になる♪

こちらもグリーンバックで撮影中!!

編集中は真剣ですね。

参加者にインタビュー中。

完成した作品を山城さんに見てもらってます。

山城さんからいろいろなアドバイスをいただいてます。

撮影終了後も制作が止まりません。。。♪

最後は、みんなで完成した作品の上映会♪
会場は大爆笑になったり、真剣に見入ってしまったり、、、
お互いの健闘を称えました。

終了後に全員で記念撮影♪
楽しくて、あっという間の3日間でした!!
講師の山城さん、参加してくださったみなさん、3日間お疲れさまでした!
本当にありがとうございました♪

別れ惜しいようですが、、、また、お会いできる日が楽しみですね♪
今回のワークショップで参加者がつくった映像は、Youtubeで公開しています!
ぜひぜひ、ご覧ください♪

https://www.youtube.com/playlist?list=PLBxn9PW3ZhtZS83x9FWdDKbbKsLMSRP7v




(harappaスタッフ=太田)

2015年7月23日木曜日

【harappa Tsu-shin】「gallery wagon」弘大学生による展示3連続開催♪

みなさん、こんにちは☆

昨年は1回しか出番のなかった「gallery wagon」、、、
ですが、今年はすでに3回もまちなかに繰り出していますよ♪
みなさん、ご覧いただけましたか?

開催内容は、

7月4日(土) イラスト展「えぐちのえ」
江口裕亮 弘前大学人文学部在学
みちのく銀行下土手町支店前
ボールペンで描いた、とても繊細なイラストでした。

7月18日(土) 切り絵「切り取り展」
本間麻緒 弘前大学教育学部在学
土手町コミュニティーパーク前
切り絵のしおりも好評でした♪

7月24(金)・25日(土) 絵本・原画展「AKUBI NO ZIKAN」
馬場拓也 弘前大学大学院教育学研究科在学
百石町展示館前
絵本の原画や、しおりづくりのワークショップも開催♪

この日は、百石町の納涼夜店祭りということで、
「オリジナルエコバックづくり」もやりました♪
みんな、ワイワイ楽しそうですね♪
 かわいいエコバックがたくさん♪

ということで、
弘前大学の学生さんに3回連続で開催していただきました♪
道行く人々が足を止めて作品を見てくれて、
普段は、わざわざギャラリー等に行かない人たちにも、
アートに触れてもらう機会になったのではないかと思います。

参加してくれた学生さんたちにも、良い経験になってくれていたらいいなぁと思います。

今年は「gallery wagon」をどんどんまちなかに出没させたいと考えています!!
「gallery wagon」で作品を展示してみたい方や、グッズ販売、パフォーマンスに使ってみたい方など、
興味のある方は、ぜひharappaまでお問い合わせください♪




(harappaスタッフ=太田)


【harappa Tsu-shin】 「こども映画館」開催しました♪

みなさん、こんにちは!
連日暑いですね、、、冬が恋しい今日この頃です。。。

さて、先週7月19日(@青森県立美術館)・20日(@はっち)と「こども映画館」開催しました♪
昨年の弘前での開催に引き続き、今年は青森と八戸での開催でした。
今年もたくさんの子どもたちが来てくれましたよ♪

上映した映画は「どもまでもいこう」、「ウォレスとグルミット」、「世界の果ての通学路」の3本です。
3本全部を観てくれたお友達もいて、嬉しい限りです♪

映画を観る前は、少しだけ映画や映像についてのお勉強もしました。


そして今回は、映像作家・岡本将徳さんによる体験ワークショップ
「こまどりアニメ撮影所~アニメを体験して持ち帰ろう!~」も開催しました♪

ワークショップの内容は、まずコマ撮りの撮影♪
元気よくジャンプ!!

次に、撮影したコマ撮りの写真を驚き盤に貼っていきます♪

後は、驚き盤を型どおりに切り取って、画びょうで割りばしに装着、、、
鏡を覗きこんでクルクル回すと、、、
コマ撮りアニメーションの完成です♪

他にも撮影したコマ撮り写真で、パラパラマンガも作りました♪
もちろん、作った驚き盤やパラパラマンガは持ち帰りできましたよ♪
夏休みの楽しい思い出になってくれていたら嬉しいです♪

今後も、「映像クリエイション講座」、「こども映画教室@はちのへ2015」と
楽しいイベントが目白押しです!!♪



(harappaスタッフ=太田)





2015年7月7日火曜日

【越境するサル】№139「今年出会ったドキュメンタリー 2015年4-6月期」(2015.7.1発行)

2015年4-6月期に出会ったドキュメンタリーについて報告する。
   今回も多くの秀作と出会った。

 
    「今年出会ったドキュメンタリー 2015年4-6月期」

   2015年4月から6月までに観たドキュメンタリーを列挙する。「青森シネマディクト」と「脱原発弘前映画祭」(弘前文化センター)で観た映画がそれぞれ1本、あとの映画はDVDでの鑑賞。( )内は製作年と監督名と鑑賞場所等、はテレビ・ドキュメンタリー。
         
4月・・・『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』
      (2013 ジャンフランコ・ロージ)
     『レッドマリア それでも女は生きていく』(2011 キョンスン)
          『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』
      (2012 ローレン・グリーンフィールド)
          『わたしの、終わらない旅』(2014 坂田雅子)                  
          『名誉殺人の闇の中で』(2015 NEXTスペシャル)
     『シリーズ 危険な時代に生きる 第5回~第9回』
      (2015 BS世界のドキュメンタリー)
     『井浦新 アジアハイウェイを行く 第1集「変貌する文明の十字路」
     ~トルコ・グルジア・アゼルバイジャン~』2015ザ・プレミアム)
          『キューバ 市民ツーリズムにかける~米との国交正常化の前夜~』
      (2015 ドキュメンタリーWAVE      
     『戦後70年 ニッポンの肖像-日本人と象徴天皇-第1回・第2回』
      (2015 NHKスペシャル)
     『失われた琉球の魂を求めて~復帰40年・甦る紅型~』
      (2012 ノンフィクションW)
          『庭師が描く、究極の小宇宙~海を越えた日本の美~』
      (2012 ノンフィクションW)
          “311”を忘れない57 女川いのちを守る会
       ~1000年後へのメッセージ~』(2015 テレメンタリー」)
          『サイゴン陥落 緊迫の脱出 前・後編』
      (2015 BS世界のドキュメンタリー)※ 
       
5月・・・『ヴァチカン美術館 天国への入口』
      (2013 マルコ・ピアニジャーニ 青森シネマディクト)
     『物語る私たち』(2012 サラ・ポーリー)
          『飯舘村 私の記録』(2013 長谷川健一 「脱原発弘前映画祭」)
     『靖国・地霊・天皇』(2014 大浦信行)              
     『RCサクセションシングル・マン』(2015 名盤ドキュメント)
     『9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~』
      (2015 NNNドキュメント)      
     『たった一人の新聞社~活版印刷で半世紀~』
       (2015 テレメンタリー」)
          『井浦新 アジアハイウェイを行く 第2集「知られざるイスラム大国」
       ~イラン~』(2015 ザ・プレミアム)
          『揺れる原発海峡~27万都市 函館の反乱~』
      (2014 FNSドキュメンタリー大賞ノミネート」)
          『もしも建物が話せたら 前・後編』
  (2015 WOWOW国際共同制作プロジェクトヴィム・ヴェンダース製作総指揮)
     『永遠のモダン 京の春・重森三玲の庭』(2015 日曜美術館)
     『ヴィニュロンの妻 日本人マダムと名門ドメーヌ 再起の闘い
     (2015 ETV特集)      

6月・・・『ファッションが教えてくれること』(2009 R・J・カトラー)
          『世界一美しいボルドーの秘密』
     (2013 ワーウィック・ロス デヴィッド・ローチ)
          『最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~』
     (2012 ジョナ・ベッカー/ザック・マース)
     『天空からの招待状』   
     (2013 チー・ポーリン ホウ・シャオシェン製作総指揮)            
     『墨に導かれ 墨に惑わされ~美術家・篠田桃紅 102歳~』
     (2015 ETV特集)
          『あいつは、ミナだ 差別と闘い 新潟水俣病50年』
     (2015 NNNドキュメント)
     『ベトナム戦争40年目の真実』(2015 テレメンタリー)
          『キング牧師 vs. マルコムX
      (2015 BS世界のドキュメンタリー)※            
     『10億人が愛した高倉健』(2015 BS1スペシャル)
     『盗まれたクメール石像~密売ルートを追う~』
      (2015 BS世界のドキュメンタリー)
     『キリング・フィールドからテニスコートへ
     ~カンボジアテニスの再興と未来~』(2015 ノンフィクションW)
     『コメ サバイバル 密着!ブランド米の攻防』
      (2015 NNNドキュメント)                
               
   毎年、「今年の収穫」を選んでいるが、2015年4-6月期の印象に残った作品について数本紹介する。まず、映画から。

   『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(2013 ジャンフランコ・ロージ)。 ローマを取り巻く全長70キロの「環状線GRA」。その周辺に住む人々を、2年半かけて取材し撮影した、芸術的かつ詩的なドキュメンタリー。登場するの は、老いた母親の面倒をみながら人命救助のため事故現場で働く救急隊員、ヤシの木の害虫を駆除するために研究を続ける植物学者、ある建物に住むさまざまな 家族たち、車上生活者たち、ウナギ漁師そのテンポは心地よく私たちをスクリーンの中に招き入れ、93分間、私たちも「ローマ環状線」の人々となる。本作 は、「ヴェネチア国際映画祭金獅子賞」を受賞。ドキュメンタリー映画としては、映画祭史上初の快挙だった。

   『レッドマリア それでも女は生きていく』(2011 キョンスン)。 韓国の女性監督キョンスンが、社会の周縁でたくましく生きるアジアの女性たちに寄り添いながら、そのひとりひとりの姿を見つめる。韓国・日本・フィリピ ン家事労働者、性労働者、非正規労働者、移住労働者、介護労働者、路上生活者、元「慰安婦」たち。ここに登場する彼女たちは皆、ただ打ちひしがれている のではなく、前に向かって進もうとしている。冒頭に映し出される、ひとりひとりの「腹」の映像に、彼女たちの人生が詰まっている。

   『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』(2012 ローレン・グリーンフィールド)。 タイムシェア(共同所有)リゾートビジネスで大富豪となった男デヴィッド・シーゲル、その31歳年下の妻で元ミセス・フロリダのジャッキー。養子に迎えた 姪を含め8人の子どもと多くの使用人に囲まれて大邸宅に暮らすふたりは、さらにアメリカ最大の邸宅の建築を目指す。「ベルサイユ」と名付けられたこのアメ リカンドリームの象徴の完成を記録すべく、ローレン・グリーンフィールド監督のドキュメンタリー映画の撮影が始まるが、2008年、リーマン・ブラザーズ の破綻によって世界的な金融危機が起こり、彼らも1,200億円の借金を抱えてしまうかくしてこのドキュメンタリーは、大富豪の転落の記録として完成し た。2012年サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞受賞。

   『わたしの、終わらない旅』(2014 坂田雅子)。 『花はどこへいった』・『沈黙の春を生きて』で枯れ葉剤の被害を描いてきた坂田雅子監督が、「核」のたどってきた道と未来を見つめる「終わらない旅」。こ の「旅」は、亡き母が1970年代から打ち込んでいた反原発運動を見つめ直し、フランス核再処理施設・ビキニ環礁・旧ソ連核実験場・第五福竜丸と関わる 人々と出会う、核エネルギーの歴史をたどる旅だ。「核の平和利用」を信じて原発を推進してきた時代と自分史(家族史)を重ね合わせた、未来のためのドキュ メンタリー。

   『物語る私たち』(2012 サラ・ポーリー)。アトム・エゴヤン監督の『スウィート ヒアアフター』(1997)のヒロインに抜擢され世界中から注目を集め、実力派女優へと成長したカナダ・トロント出身のサラ・ポーリー。監督・脚本家とし ても活躍する彼女が、元女優の母ダイアンと舞台俳優の父マイケルと5人の子どもたちのポーリー家の秘密、亡き母の秘かな恋と自らの出生にまつわる真実を描 く秀作。「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」のインターナショナル・コンペティション出品。映画祭では見逃していた作品と出会うことができた。

   『飯舘村 私の記録』(2013 長谷川健一 「脱原発弘前映画祭」)。福島県飯舘村の酪農家で同村前田地区区長の長谷川健一さんは、原発事故後の村で起こった出来事をビデオカメラで克明に記録し続け ている。その全域が「計画的避難地域」に指定された飯舘村。住民の避難、酪農の断念、行政との軋轢、そして長谷川さん自身の仮設住宅への転居激動の数ヶ 月の貴重な記録と証言でつづった初監督作。なお、上映後、長谷川さんの講演も行われた。

   『靖国・地霊・天皇』(2014 大浦信行)。昭和天皇を主題とした版画シリーズ「遠近を抱えて」が美術館によって売却され図録が焼却処分とされた「大浦・天皇コラージュ事件」の当事者であり、ドキュメンタリー作品『日本心中』(2002)・『9.11-8.15日本心中』(2006)・『天皇ごっこ』(2011) の監督である美術家・大浦信行のドキュメンタリー第4作。「A級戦犯合祀」・「政教分離」・「首相参拝」さまざまな論点で激しく意見が対立する靖国神社 をめぐって、大口昭彦氏と徳永信一氏、「左派」と「右派」を代表する弁護士が語るそれぞれの想いを中心に作られた作品だが、主人公はもちろん「死者たち」 だ

   『世界一美しいボルドーの秘密』(2013 ワーウィック・ロス デヴィッド・ローチ)。原題は「RED OBSESSION」、。「世界一美しい」という邦題から、ボルドーワインの魅力を余すところなく伝えようとする映画だと思って見始めたが、それ以上にシ ビアなワインビジネスの現状を伝える内容だった。とりわけ、中国人富豪たちの介入で値段が高騰(そして暴落)したボルドーワインの未来への警告という意図 が感じられたが、一方で中国ワインの生産者への期待も感じられ、なかなか一筋縄ではいかないドキュメンタリー。私にとっては、ありがたい情報満載の1本と なった。

   『最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~』(2012 ジョナ・ベッカー/ザック・マース)。アイスランドの港町フーサヴィークに世界で唯一のペニス博物館がある。館主が40年間にわたり収集したほ乳類の ペニスの標本が展示されているが、彼には死ぬ前にかなえたい夢があった。それは、ホモ・サピエンスつまりヒトのペニスを展示すること。申し出た候補者はふ たり。アイスランドの95歳の名士と、アメリカの中年カウボーイ。果たして、人類代表に選ばれるのは誰?この夏、日本公開。

  
『天空からの招待状』(2013 チー・ポーリン ホウ・シャオシェン製作総指揮)。台湾政府内職員として20年以上航空写真を撮り続けてきたチー・ポーリン監督が、「美麗島」と呼ばれる美しい島台湾の 山・海・田園そして工場・都市を3年間にわたって撮影し作り上げたドキュメンタリー。台湾公開時には、年間興行成績第3位の大ヒットとなった。最初、美し い景色を中心とする「台湾讃歌」と思わせるが、途中から環境破壊の進行に対する鋭い告発・批判を内包する映像へと変化する。製作総指揮のホウ・シャオシェ ンをはじめ、最高のスタッフが集結した空前絶後の映画。 

   テレビ・ドキュメンタリーからも数本。

   『名誉殺人の闇の中で』(2015 NEXTスペシャル)。ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの故郷パキスタンで深刻な問題となっている「名誉殺人」。親が決めた相手以外と結 婚した場合などに、「一家の名誉が汚された」として、父親や親族が娘を殺害する事件が地方では発生する。このドキュメンタリーでは、父親に銃で撃たれ一命 を取り留めた20歳の女性や13歳の時に性的暴行を受けた女性のケースに密着し、それでも女性の権利に目覚め未来に向かっていこうとする姿を描く(初回放 送は331日)。「NEXT」は、NHKの新しいドキュメンタリー番組。

   『サイゴン陥落 緊迫の脱出 前・後編』(2015 BS世界のドキュメンタリー)。19754月、北ベトナム軍がパリ和平協定を破って南へ進軍、南ベトナムの首都サイゴンを陥落させ、ベトナムは統一され た。アメリカ人を脱出させる計画を極秘裏に策定していたアメリカ大使館が最終的に採用したのは大使館からヘリコプター輸送で脱出させる作戦だった。サイゴ ン陥落という歴史的な瞬間に至る最終局面を、アメリカ側の関係者の証言と貴重な映像で描く。2015年アカデミー賞長編ドキュメンタリーノミネート作品。

   『9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~』 (2015 NNNドキュメント)。ベトナム戦争に従軍した元米海兵隊員アレン・ネルソンさんは、戦場で数えきれないくらいの人を殺害し、帰還後PTSDに苦しめられ る。戦争そのものの本質と向き合うことをきっかけに立ち直った彼は、96年から日本で講演活動を開始した。その中で彼が重要視したのは「憲法第9条」の役 割だった。2009年、ベトナム戦争で浴びた枯葉剤が原因と見られる癌で死去したネルソンさんの半生を描き、戦争・米軍基地の本質を鋭く突いた秀作。読売 放送制作。

   『井浦新 アジアハイウェイを行く 第2集「知られざるイスラム大国」~イラン~』(2015 ザ・プレミアム)。中東の大国イラン。「テロ支援国家」、「核兵器開発疑惑」、「経済制裁」、井浦新がイメージするイランとは違うイランの姿がそこには あった。商品があふれエネルギーに満ちたマーケット、活躍する女性たち、そしてどこの国とも同じ家族の絆。イスラム教シーア派の聖地、アルメニア人のキリ スト教会さまざまな場所を訪れた井浦新は、キアロスタミ監督の映画『友だちのうちはどこ』(1987)が撮影された場所にも立ち寄る。その後の地震で廃 墟となったその村に残る、あの「ジグザグの道」。『友だちのうちはどこ』を知る者には貴重な映像であった。

   『もしも建物が話せたら 前・後編』(2015 WOWOW国際共同制作プロジェクト ヴィム・ヴェンダース製作総指揮)。ヴィム・ヴェンダース製作総指揮の下、世界で活躍する6人の映画監督が、自身がこだわる建物について描くオムニバスの ドキュメンタリー。ヴィム・ヴェンダース監督は地元ベルリンのフィルハーモニー・ホール。ミハエル・グラウガー監督はロシア最古の公共図書館、ロシア国立 図書館。マイケル・マドセン監督は再犯率がヨーロッパで最も低い、ノルウェーハルデン刑務所。ロバート・レッドフォード監督は、ポリオワクチンの開発者 ジョナス・ソーク創設のサンディエゴのソーク研究所。マルグレート・オリン監督は地元ノルウェー・オスロの海面からそそり立つオペラハウス。カリム・アイ ノズ監督は、ジョルジュ・ポンピドゥー発案のパリのポンピドゥー・センター。それぞれの監督が独自の視点で建物に迫る、異色のドキュメンタリー。

   『ヴィニュロンの妻 日本人マダムと名門ドメーヌ 再起の闘い』(2015 ETV特集)。フランス・ブルゴーニュの南端、サヴィニー・レ・ボーヌ村。その名門ドメーヌ(醸造所を備えたぶどう生産農家)の三代目当主・パトリック・ ビーズに、15年前1人の日本人女性が嫁いだ。彼女の名はビーズ千砂。元エリート銀行員の彼女の内助の功もあり、ドメーヌは順風満帆だった。しかし 2013年、ブルゴーニュ一帯を襲った雹(ひょう)でぶどう畑が壊滅した年、収穫の最中、夫パトリックは自動車運転中に心臓発作を起こし死亡する。名門ド メーヌの浮沈をかけた、日本人マダム・ビーズ千砂とドメーヌの1年間にわたる闘いが始まったドメーヌの人々の、明日をかけた生き残りの物語。その美しい 四季の映像と彼らの語り、どちらも魅力的だ。ナレーションは宮沢りえ。

   『墨に導かれ 墨に惑わされ~美術家・篠田桃紅 102歳~』(2015 ETV特集)。現役最高齢の美術家・篠田桃紅、102歳。戦後すぐに渡米、「水墨の抽象画」というジャンルを確立して世界的に高 い評価を得てきた彼女の、アトリエでの制作の姿とその人生を追う。一本一本墨の線を積み重ねていく彼女独特の作風と、全く無駄のない明快な語り口。気がつ くと、完全に魅了されている自分がいる。

   10億人が愛した高倉健』(2015 BS1スペシャル)。高倉健は中国で一番愛されている日本人俳優だ。1978年、文化大革命直後の中国で高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』(1976 佐藤純彌監督)が公開され、10億人が見たといわれる。文革後初の日本映画であるこの作品は多くの中国人観客の心をつかみ、その影響は今も各界の人々に残っている。いわれなき罪を着せられ た検事が巨悪に立ち向かっていくこの映画に魅せられた人々が語る、高倉健讃歌。

   テレビ・ドキュメンタリーは、録画はしたもののチェックできなかった作品が多く、悔いが残る。民放3局のドキュメンタリー番組、テレメンタリー、NNNド キュメント、FNSドキュメンタリー大賞。NHKのNHKスペシャルとBS世界のドキュメンタリー。これらを地道にチェックして紹介することができれば、 と思うのだが、なかなか時間がとれない。だから、ここで紹介されているのは、偶然出会ったものだけである。


<後記>

   次の発信まで、またしばらく時間がかかりそうである。当分の間、バックナンバーをプリントアウトして各シリーズの「総集編」や「自選集」を作る作業をすることを考えているが、その過程で次のテーマが生まれてくるかもしれない。 



harappaメンバーズ=成田清文)
※『越境するサル』はharappaメンバーズ成田清文さんが発行しており、個人通信として定期的にメールにて配信されております。
    


2015年6月23日火曜日

【越境するサル】№138 「『越境するサル』的生活 2015~5月までの日々~」(2015.6.21発行)

毎年、この通信のもとになる精神生活(といっても、読書や映画鑑賞や街歩き程度だが)について「『越境するサル』的生活」という題名でエッセイ風に記述し、友人たちへの報告としている。
  
今年は、長い間こだわり続けてきた「あるテーマ」について考えるために、自分が「準備」する過程を報告する。

 
      「『越境するサル』的生活 20155月までの日々~」

   その日曜日、録画していたテレビ・ドキュメンタリー2本を午前中に観た後、軽い昼食とお決まりの珈琲(もちろんマンデリン)を済ませた私は、かねてより計 画していた午後のドキュメンタリー映画鑑賞に出かけるための準備を始めた。弘前文化センターで開催されている「脱原発弘前映画祭」の1本、酪農家の長谷川 健一氏の『飯舘村 私の記録』(2013)。長谷川氏が自らビデオカメラで撮影し続けた、飯舘村の原発事故後数ヶ月の記録を編集したものだが、上映後に長谷川氏の講演も予定 されているので、外すわけにはいかなかった。ちょうど、午前中に観たテレビ・ドキュメンタリーも原発を扱った作品だった。フジテレビで2014年に放送さ れた『揺れる原発海峡~27万都市 函館の反乱~』(FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品)。対岸で建設されている大間原発に対する函館市の訴訟を北海道文化放送が取材し制作したこの 作品は、私自身にとって無視できない内容だが、深夜にBSフジで放送されることを発見したのは本当に偶然だった。こういう偶然で、数々のドキュメンタリー と出会った。
   「今年出会ったドキュメンタリー」を年4回発信するようになってから、ほぼ毎日1本、テレビ・ドキュメンタリー番組かドキュメンタリー映画のDVDを観るようになった。ほとんど飯を食うような感覚で、日常的に、録画しておいた、あるいは宅配レンタルの作品を消化する日々…

   講演を聴き終わってすぐ、弘前図書館を目指す。
   返却が2冊、内田樹『街場の戦争論』(2014)と『新潮』20153月号。借りたのは3冊、四方田犬彦『台湾の歓び』(2015)、内田樹他『この国はどこで間違えたのか 沖縄と福島から見えた日本』(2012)、内田樹編『街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか』(2014)。
  
『新潮』を借りていたのは、杉田俊介の評論「ジェノサイドについてのノートーリティ・パニュ、ジョシュア・オッペンハイマー、伊藤計劃」が掲載されていたからだ。昨年私が出会った『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013)のリティ・パニュ監督と『アクト・オブ・キリング』(2012)のジョシュア・オッペンハイマー監督に関する内容を含む評論とあっては、無視するわけにはいかなかった。
  
『台湾の歓び』は、台湾映画や台湾現代史の知識を私に与え続けてくれた四方田犬彦の初の台湾紀行。すでに読んでいた「台湾人の三人の父親」を含む「第一部 台北」と、「第二部 黒い女神を求めて」・「第三部 台南」で構成されている本書は、再び台湾と向き合うための基礎知識となるはずだ。実は、今年1月の「『越境するサル』「「丸谷才一『裏声で歌へ君が代』再 読~「台湾体験」の記憶へ~」発信以降、おそらく丸谷才一に影響を与えたはずの直木賞作家邱永漢(台湾出身)の短編小説を読んだり、いまの私にとって最も 重要な台湾映画の『多桑(トーサン)』(呉念眞監督 1994)を北京語字幕版で観たり…少しずつ、いつか再び台湾について考える時のための準備だけはしていたのだ。
   そして、内田樹の著書および内田が関わるアンソロジー。この4月から5月、私は内田樹を含む何人かの人々の著 書を中心に、あるテーマのもと、かなり意識的に読書計画を立てて読み続けてきた。おそらく夏まではこのペースが維持されるはずだが、そのテーマとは「戦後 日本」だ。

  
昨年、加藤典洋の『3.11 死に神に突き飛ばされる』(2011)と『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(2013)の2冊を読んで以来、思想家・吉本隆明の「反・反原発」のスタンスに対する違和の感覚を自分なりに処理できるように なった。要するに、「吉本無謬神話」から脱却すればいいだけなのだ。吉本の「原発政策」に関する言説・分析は誤謬であり、そしてその誤謬は戦後の日本人が 「原子力の平和利用」という言葉に欺かれてきた歴史と同じ根を持つものである。そのように納得して、吉本のすぐれた著作に向き合い、一方で吉本の限界を超 えたものに関しては「吉本を頼りにせず」自分の頭で考える。前提となる条件が変わったら、結論を修正する…そう考えるようになってから、それは昨年の末あ たりからなのだが、「戦後日本」について書かれたいくつかの著作が気になり始めた。仕事のほかには、台湾とドキュメンタリー映画の企画とコーヒーと酒のこ とだけ考えていた頃だ。概略すると、次のような流れで読書計画は進んでいった。

  
2月末、自分が関わる企画「ドキュメンタリー最前線2015」の準備と並行して、赤坂真理『東京プリズン』(2012)を読み始める。アメリカ・メーン州 に留学(というより行かせられた)少女時代の経験を持つ主人公が、その過去と現在を往き来するファンタジー仕立ての小説だが、過去の時間で展開されるのは 「天皇の戦争責任」をめぐるディベートだ。彼女は「責任あり」の立場でアメリカ人聴衆の前に立つ…この小説を出発点として、読むべき書物を物色し始める。
  
3月、「ドキュメンタリー最前線2015」終了とともに用意した何冊かを、4月上旬から読み始める。まず、創元社「戦後再発見」双書の仕掛け人矢部宏治の 『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』(2014)。続いて、「戦後再発見」双書第一弾である孫崎亨『戦後史の正体-19452012』 (2012)。「戦後日本」の政治がどれだけアメリカの意向によって作られてきたか、対米独立と対米追従のせめぎ合いの歴史を追及するこの2作によって、 このあとの流れは決定づけられた。やがて私は、「戦後再発見」双書第二弾『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(前泊博盛 2013)と第三弾『検証・法治国家崩壊-砂川裁判と日米密約交渉』(吉田敏浩/新原昭治/末浪靖司  2014)を読むことになるだろう。『戦後史の正体』の各論として。
  
ここまで、日米の、あるいは日本人の心の中の「ねじれ」について語る著作と向き合ってきた私は、4月中旬、加藤典洋『人類が永遠に続くのではないとしたら』(2014 新潮社)を丹念に再読する。この「ねじれ」については、加藤典洋が『アメリカの影ー日本再見』(1985)・『敗戦後論』(1997)等で執拗に分析してきたテーマだ…
  
こうして私は、白井聡『永続敗戦論』(2013)にたどり着く。戦後日本のレジームの核心的本質が「敗戦の否認」にあるとし、その一方でアメリカに対する 盲従を続ける日本の戦後を「永続敗戦」ととらえる白井のこの著作との出会いは、今回の一連の読書のメインとなるものだった。そして引き続き、私にとっては 加藤典洋と同じくらい重要な位置を占める文芸評論家(および推理小説作家)笠井潔の『8.153.11 戦後史の死角』(2012)を読み終わったとき、この後に読むべき書籍の一群が眼の前にひろがってきた…
 
   このあと、とりあえず8月まで、私は「戦後日本」について考え続けるだろう。「とりあえず8月」と書いたのは、8月以降、これらの著作の紹介をプロローグとする複数の発表を考えていたからだ。
   
ポツダム宣言受諾、新憲法制定、日米安保条約、日米地位協定、砂川判決…これら(すべて当たり前のように教科書に載っているものばかりだが)を私自身の授業の中でどのように教材化していくか。さらに映画『ゴジラ』(1954)と「第五福竜丸事件」の分析から、日本人の「原子力」と「平和利用」への想いについて考える。そのような発表を目論んでいた。その完成の目安が8月だった。

  
さて、このようにして5月まで、最近にしては珍しく読書に没頭する日々を送っていたのだが、実は5月には私的なイベント、それも大きなイベントがあった。 娘の結婚式である。そちらの方にもかなりのエネルギーを注ぐ必要があったし、実際相当の体力を費やしたわけだが、そんな中でも「『越境するサル』的生活」 と言える時間を持つことができた。それを紹介して、「5月までの日々」の締めくくりとする。 

   …5月下旬の休日、私は母とともに仙台青葉城址にいた。その前日仙台で行われた娘の挙式と披露宴のため家族そろって仙台に滞在していたが、父親としての大役もホテル宿泊と荷物発送の雑務も終え、最終日は新幹線の発車時刻までかなりの余裕があった。
   なぜか、青葉城址に行きたかった。もちろん伊達政宗像を観るためだが、山の上にあるその場所に立ちたいと思ったのだ。家族はそれぞれ予定を立てていたが、私は母を誘い、タクシーで青葉山を登ることにした。
  
伊達政宗像に一番近い場所に駐車し、運転手さんに案内してもらって少し歩き、眼下にひろがる仙台市内の眺望を楽しんだ。私にとっては四十数年ぶり、母にとっては六十数年ぶりの景色だった。
  
その帰り道、運転手さんと母にお願いして、仙台市博物館に立ち寄った。東日本大震災復興祈念特別展「国宝 吉祥天女が舞い降りた!ー奈良 薬師寺 未来への祈りー」が開催されていたのだ。「薬師寺聖観世音菩薩立像」を、どうしても観たかった。実は3年前、修学旅行の引率で薬師寺を訪れた際、手違いがあって見逃していた。その後、後悔の念というか、無念の気持が大きくなっていた。
  
約束した時間は10分。母を車中に残し、小走りで階段を駆け上がり、チケット売り場を目指す。少し手間取ったが、チケットを右手に持ち一気に階段を走って 上り、特別展のエリアにたどり着く。すべてが魅力的な展示だが、目標はただひとつ、「聖観世音菩薩立像」。急ぎ足で、ひたすらその場所だけを目指す。そし て、ついに、対面することができた。合掌…
そういえば、「唐招提寺鑑真和上像」(2004)や「平等院鳳凰堂雲中供養菩薩像」(2000)にも、偶然この仙台市博物館で出会ったのだった…

   お気に入りの仏像との、わずか3分ほどの対面。それでも、充分幸福な時間。そのような時間を「『越境するサル』的生活」と、私は呼ぶ。
  

<後記>

   結局、8月に予定されていた「発表」は取り消しとなっ た。今後規模の小さな集まりでの「発表」は考えられるが、それほど急ぐ必要もなくなった。だが、私の中の「準備」はそのまま続けられている。何よりも、自 分のための「準備」であり、しかも情勢はかなり切迫している。
   次号は「今年出会ったドキュメンタリー」、4-6月期。その後は未定。



harappaメンバーズ=成田清文)
※『越境するサル』はharappaメンバーズ成田清文さんが発行しており、個人通信として定期的にメールにて配信されております。
    
    

2015年6月5日金曜日

【harappa Tsu-shin】弘前のアートについてあれこれ話し合う会♪



「弘前のアートについてあれこれ話し合う会」を開催します♪

自分の作品を展示してみたい!
こんなことをやってみたい!
弘前のアートについて、みんなで一緒に、あれこれ考えてみませんか?

弘前アートプロジェクト実行委員会では、
一緒に弘前のアートについて考えてくれる方を募集します!!
実行委員会の定期ミーティングに参加してみませんか?
日時は毎月第4火曜日18時~コトリカフェ(百石町展示館内)にて
誰でも参加自由ですので、少しでも興味のある方はぜひ遊びに来てください!
次回は6月23日(火)開催です。
事前の申し込みなどは必要ありません。どうぞお気軽にお越しください。

主催:弘前アートプロジェクト実行委員会
問合せ:NPO harappa ℡.0172-31-0195 e-mail. post@harappa-h.org





(harappaスタッフ=太田)