2017年1月6日金曜日

【越境するサル】№.154「今年出会ったドキュメンタリー2016年10-12月期」(2016.12.29発行)

2016年10-12月期に出会ったドキュメンタリーについて報告する。

 
        「今年出会ったドキュメンタリー 2016年10-12月期」

   2016年10月から12月までに観たドキュメンタリーを列挙する。映画の方はいつもの通りほとんどがDVDでの鑑賞。スクリーンで観たのは2本。( )内は製作年と監督名と鑑賞場所等、※はテレビ・ドキュメンタリー。

   10月・・・『クリーンセンター訪問記』(1976 小川紳介)
             『美術館を手玉にとった男』
      (2014 サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン)           
             『ノーマ、世界を変える料理』(2015 ピエール・デュシャン)
             『あまくない砂糖の話』(2014 デイモン・ガモー)

       『勇鯨~揺れる太地町~』(2016 テレメンタリー)※
             『夢と土俵と草原と~モンゴル人力士の光と影~』
       (2016 NNNドキュメント)※
             『闘う写真の裏側で 報道写真家・福島菊次郎』
       (2016 NEXT 未来のために)※
             『平塚 多国籍のお肉屋さん』(2016 ドキュメント72時間)※
             『“ゼロの阿蘇”を撮る 熊本地震から半年』
       (2016 NEXT 未来のために)※
             『福島 被曝に挑む科学者たち~野生動物の危機~』
       (2016 テレメンタリー)※  
             『香港は誰のものか』(2016 ETV特集)※
             『となりのシリア人~“難民”が見つめる日本~』
       (2016 NNNドキュメント)※

  11月・・・『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
       (2015 マイケル・ムーア)
             『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(1986 小川紳介)
             『京都鬼市場・千年シアター』(1987 小川紳介)
             『“ベガルタ”~サッカー、震災、そして希望~』
       (2016 ダグラス・ハーコム、ジェフ・トロッド)

             『神の海に暮らす~まだ見えぬ原発に揺れる島~』
       (2016 テレメンタリー)※
             『あの夜 壁が現れた~ベルリン分断の目撃者たち~』
       (2016 BS世界のドキュメンタリー)※
             『1989“鉄のカーテン”消滅への序章』
       (2016 BS世界のドキュメンタリー)※
             『“ゲゲゲの鬼太郎”水木しげる 妖怪漫画家が見た天国と地獄』
       (2016 ザ・ドキュメンタリー)※
             『終わらない人 宮﨑駿』(2016 NHKスペシャル)※
             『いのちいただくシゴト~元食肉解体作業員の誇りと痛み~』
       (2016 NNNドキュメント)※
             『DNA鑑定の闇(3)~崩れる“証拠の王”の座~』
       (2016 テレメンタリー)※
             『撮影監督ハリー三村のヒロシマ
       ~カラーフィルムに残された復興への祈り~』
       (2015 ノンフィクションW)※
                   
   12月・・・『福島 生きものの記録 シリーズ4~生命~』
       (2016 岩崎雅典 脱原発映画祭)
             『サンマとカタール 女川つながる人々』(2016 乾弘明)
             『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』
       (2005 マーティン・スコセッシ)
             『湾生回家』(2015 ホァン・ミンチェン 青森シネマディクト)
                                        
             『路地の声 父の声~中上健次を探して~』(2016 ETV特集)※
             『漱石が見つめた近代
        ~没後100年 姜尚中がゆく~』(2016 ETV特集)※
             『レッドチルドレン 中国・革命の後継者たち(前編・後編)』
       (2016 BS1スペシャル)※
       『ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉』
       (2016 NHKスペシャル)※
             『沖縄 ウチナーンチュ大会』(2016 ドキュメント72時間)※
             『文化大革命50年 知られざる“負の連鎖”
        ~語り始めた在米中国人~』(2016 BS1スペシャル)※

   毎回、「収穫」を選んでいるが、今回も数本紹介する。まず、映画から。

  『クリーンセンター訪問記』(1976 小川紳介) 。1975年、山形県上山市牧野を拠点に映画を作り続けようとしていた小川プロは、上山市役所保健課の企画による記録映画を製作する。市民に市の新しいゴミ焼却場「クリーンセンター」を紹介し、ゴミの分別収集を呼びかけることを目的として作られた、上山市の広報映画であるこの作品は、そこで働く人々の「労働」を徹底して描いている。小川紳介自身がインタビュアーをつとめ、労働者ひとりひとりの個性を描き出す。小川プロダクション全20作品DVD化プロジェクトの第四弾。9月のプロジェクト第四弾はこのほかに『牧野物語 養蚕編』(1977 小川紳介)・『牧野物語 峠』(1977 小川紳介)。10月の第五弾は『ニッポン国古屋敷村』(1982 小川紳介)。

   『美術館を手玉にとった男』(2014 サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン)。2011年、アメリカの多くの美術館で展示されていた絵画が贋作であることが判明した。全米20州、46の美術館が騙された100点以上の贋作を制作したのはマーク・ランディス。彼は、自ら制作したさまざまな模写作品を、「慈善事業」として各美術館に寄贈し続けてきた。いくつかの偽名を使い、時には神父などのキャラクターに扮して。彼と、彼を追う人々の、芸術作品をめぐる不思議な物語。

  『ノーマ、世界を変える料理』(2015 ピエール・デュシャン)。イギリスのレストラン誌が選ぶ「世界ベストレストラン50」第1位に4度輝いた、デンマーク・コペンハーゲンのレストラン「ノーマ(noma)」。その創業者である若きカリスマシェフ、レネ・レゼビと関係者に4年間密着したこのドキュメンタリーは、マケドニア移民の子として差別を受けてきた生い立ちから「ノーマ」立ち上げ当初の苦難、そして北欧の素材に対するこだわり等々、彼の全体像を見事に描き出している。2013年に起こったノロウィルスによる食中毒事件から立ち上がっていくプロセスはドラマのようだ。

  『あまくない砂糖の話』(2014 デイモン・ガモー)。主演・監督の俳優ディモン・ガモーは、自分の体を使い、一日にティースプーン40杯分の砂糖を60日間にわたって摂取するという実験に乗り出す。彼が実験に使う食品は、決してジャンクフードではない、“ヘルシー”と宣伝されているものが中心だ。しかしそれらの食品には、大量の砂糖が隠されていた…オーストラリアでドキュメンタリー映画史上最高動員を記録した本作は、食をめぐるさまざまな常識をくつがえす画期的な作品となった。
 
  『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(1986 小川紳介)。小川プロの山形県上山市牧野村での活動の集大成。製作期間13年、本編223分。延々と続く稲の開花・受精そして農作業の場面から、村の人々の昔語り、発掘された縄文の遺跡、語り継がれる村の歴史の“再現ドラマ”…壮大なスケールで紡がれた3時間43分の巨編は、小川プロダクション全20作品DVD化プロジェクト、11月の第六弾。このDVDには、『京都鬼市場・千年シアター』(1987 小川紳介 18分)も収録。これは、1987年京都に出現した『1000年刻みの日時計 牧野村物語』専用映画館「千年シアター」の記録。土、藁、葦、丸太で作られた劇場での上映の様子などが描かれている。隣の劇場で公演が行われた、麿赤児率いる大駱駝艦の練習風景は貴重な映像と言える。

  『福島 生きものの記録 シリーズ4~生命~』(2016 岩崎雅典)。2013年に始まったシリーズの第4弾。ニホンジカの健康被害、オオタカの繁殖異常、ツバメの生態、斑点牛、アカネズミの継続調査…震災から5年、生きものたちに対する地道な調査・研究の記録はますます重要になっている。そして人里に現れ捕獲されるイノシシたちの哀しさ。私たちはこのシリーズを、生きている限り見続けていかなければならない。

  『サンマとカタール 女川つながる人々』(2016 乾弘明)。牡鹿半島の付け根にある宮城県女川町。あの日、2011年3月11日、住民の1割近くが犠牲になり、8割以上が住まいを失った。町の中心部は津波にのまれた…この絶望から人々は立ち上がった。中東の国カタールが設置した基金で津波対応の冷凍冷蔵施設「マスカー」を建設、これを突破口に若いリーダーたちの発想と行動による復興が始まった。

  『湾生回家』(2015 ホァン・ミンチェン)。戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人。「湾生」と呼ばれる彼らは、敗戦によって日本本土へ強制された。戦後70年、彼ら「湾生」たちは異境の地となった「故郷」台湾を訪れ、自らのルーツを確認し、アイデンティティを修復しようとする…台湾で11週上映という異例のロングラン、16万人以上の観客を動員し、中華圏最大の映画賞「金馬奨」最優秀ドキュメンタリー作品にノミネートされた傑作。


   テレビ・ドキュメンタリーからも数本。

  『勇鯨~揺れる太地町~』(2016 テレメンタリー)。制作は朝日放送。イルカの捕殺場面の隠し撮りなどで話題となったドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』(2009)によって、世界中から注目され批判の的となった捕鯨の町和歌山県太地町。世界各国から訪れる反捕鯨団体の抗議活動によって翻弄され、苦悩する太地町の漁民の現在を報告する。

  『夢と土俵と草原と~モンゴル人力士の光と影~』(2016 NNNドキュメント)。制作は中京テレビ。現在の大相撲を支えているモンゴル出身力士。モンゴル人力士たちが最初に日本にやって来たのは1992年、その時の6人のうち5人が稽古のきつさから脱走した。ひとり踏みとどまり仲間を説得した元旭天山(最高位幕下、現在日本国籍取得。なお説得されて戻ったのが旭天鵬と旭鷲山。)の現在と、横綱白鵬の近年の苦悩を、モンゴル出身報道記者(日本滞在14年)の1年余にわたる取材で浮き彫りにする。

  『神の海に暮らす~まだ見えぬ原発に揺れる島~』(2016 テレメンタリー)。制作は山口朝日放送。山口県上関町の離島、祝島。対岸に国内唯一の新規原発立地が計画されているこの島は、30年以上激しい反対運動を繰り広げてきた。古くからの島民たちと若い移住者たち、それぞれの思いが交錯するなか、原発計画が新たな動きを見せる。ちょうど4年に1度の祭り「神舞」が行われる夏のことだ。

  『あの夜 壁が現れた~ベルリン分断の目撃者たち~』(2016 BS世界のドキュメンタリー)。制作はSky Vision(2014 イギリス)。1961年8月13日、西ドイツへの亡命による人口流出を食い止めようとする東ドイツは、ベルリンを有刺鉄線で二分するという計画を立てる。東西ベルリン市民、「壁」の建設にあたった警官、第一報を西側に伝えた特派員、彼らの証言で「ベルリンの壁」が誕生する瞬間を再現する。

  『1989“鉄のカーテン”消滅への序章』(2016 BS世界のドキュメンタリー)。制作はMAGIC HOUR FILMS / GEBRUEDER BEETZ FILMPRODUKTION /PROTON CINEMA / SUBSTANS FILM /RADIATOR FILM(2014 デンマーク / ドイツ / ハンガリー / ノルウェー)。「ベルリンの壁」崩壊のきっかけとなった、ハンガリーによるオーストリアとの国境開放。社会主義に行き詰まりを感じたハンガリー共産政権最後の首相ネーメト・ミクローシュの行動、民主化を支持したソ連のゴルバチョフ、他の東欧諸国首脳の圧力…「鉄のカーテン」消滅までの舞台裏を追う。

  『路地の声 父の声~中上健次を探して~』(2016 ETV特集)。今年生誕70年を迎えた作家・中上健次。36年前、故郷、新宮市の路地(被差別部落)に住む老婆たちへ聞き取りをしたテープが、長女で作家の中上紀さんによって発見された。中上紀さんはこの夏、父が出会った老婆たちの遺族を新宮に訪ねた。それは父の軌跡を訪ねる旅となった。

  『文化大革命50年 知られざる“負の連鎖”~語り始めた在米中国人~』(2016 BS1スペシャル)。文化大革命がスタートしてから50年、しかしその全体像はいまだに把握されていない。特に中国において事実の発掘は進んでいないのが現状だが、アメリカ在住の中国人たちがその歴史を語り始めた。被害が大きくなったのは「紅衛兵」以降、「造反派」と「革命委員会」の出現後だとする指摘は説得力があった…なお、同じくBS1スペシャル『レッドチルドレン 中国・革命の後継者たち』は、中国革命に身を投じた外国人の子どもたちの物語だが、やはり文化大革命についての貴重な証言となっている。

<後記>

   テレビ・ドキュメンタリーについては、かなり充実した記録に近づきつつある。もっと放送情報に目を通し、さらに充実した内容を目指したい。それに比べ、ドキュメンタリー映画の方は物足りない。もっとチャンスを求めて、映画館に足を運ばなければ、と思う。

   次号は、2016年から2017年にかけての「『越境するサル』的生活」をまとめて報告できればと考えている。それはそのまま、退職後の日々の報告となる…





(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。


2016年12月26日月曜日

【越境するサル】№.153「珈琲放浪記~本郷三丁目、横浜元町そして渋谷~」(2016.12.23発行)

今月、サッカー「クラブワールドカップ決勝」観戦の為、東京に2泊した。試合会場は新横浜だが、例によってあちらこちら足を延ばし、1日1軒のペースで「珈琲放浪」を試みた。

 
                 「珈琲放浪記~本郷三丁目、横浜元町そして渋谷~」

   月曜日だというのに、ひっきりなしに人々が行き交う渋谷駅前。その雑踏から少し離れて宮益坂を上り、しばらくして今度は下り、小路をのぞく。
   正確な場所を地図で確認していなかったので、果たしてたどり着けるか不安だった。方向としては、間違ってないはずだ。もしかしたら明治通りに近いのかもしれない。何度か小路を通り抜け、ついにその店を見つけた。明治通りを原宿方面へ歩いてすぐの路地を右手に入った所にある、「茶亭 羽當(ちゃてい はとう)」。午前11時開店だとしたらあと10分ほどだ。店内の灯りが見える。
   開店と同時に店内に入り、長いカウンターの奥の席を目指す。店内は、骨董に囲まれた昭和の喫茶室といった趣き。カウンターの正面には(そして店内のありとあらゆる場所にも)、夥しい数のカップ&ソーサー。何故か、懐かしい。初めて入った店で感じるこの既視感は、最近の「珈琲放浪」で何度か経験したものだ。
   「羽當オリジナルブレンド」とシフォンケーキ(メイプル)を注文し、ようやく一息つく。あわただしかった土日を思い出しながら、まずは一服(もちろん煙草ではない)といったところか。喫茶店とは、こういうふうに利用するものなのだ…

   土曜日、午後1時、例によって上野駅に到着し浅草口のコインロッカーに荷物を預けると、すぐ本郷三丁目の「TIES(タイズ)」に向かった。前回最後に訪れた店だ。迷わずに、イブラヒムモカ(マタリ)の深煎り。相変わらず、強烈な苦みと官能的な味わい。いいスタートだ。数年間熟成させたオールドビーンズ珈琲(フレンチロースト)「ファイブブレンド」200gをお土産に購入し(後日、自宅で堪能したこの豊潤な世界について、いつか語るべきだろう)、上野公園に向かう。この日は、国立科学博物館の「世界遺産 ラスコー展」見学がメイン。クロマニヨン人による芸術とも言える洞窟絵画は、今回の旅行で外すわけにはいかなかった。

   日曜日、宿泊している五反田のホテルから渋谷に向かい、東横線特急で横浜、元町・中華街駅へ。この駅周辺で気になる喫茶店がいくつかあったが、ちょうど10時開店の元町「無」に少し早く入れてもらった。私のお気に入りの店は大体そうなのだが、カウンター正面にたくさんのカップ&ソーサー。自分で好きなカップを選び、この店のブレンド「無珈琲」と手作りレアチーズケーキのセットを注文する。
   「無珈琲」は、ちょうど良い深煎り。レアチーズケーキともよく合う。朝の喫茶店特有の雰囲気を味わいながら、一日の計画を立てる。午後からは新横浜、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)。クラブワールドカップ3位決定戦および決勝、レアルマドリッドvs鹿島アントラーズ。チケットを握りしめ、会場を目指す。

   …さて、渋谷の「茶亭 羽當」だが、深煎り好きの私には少し物足りないが優しい味わいのブレンドと、これは大満足のケーキでリラックスした時間を過ごし、気がつくと何組かの客がボックス席にいる。それぞれ談話やパソコン仕事。そのうち、旅行者らしき客もカウンターへ。もう一度メニュー表を眺めると、私の好きな「マンデリン」や気になる「エージング珈琲」も目につく。もう一杯といきたいところだが、風邪と疲労のせいか胃の調子があまり良くない。味わえないなら無理をしないと決断し、店を出た。
   次の上京の際にはこの店からスタートしたいものだ、といつものように思った。


<後記> 

   ここしばらく、「上京篇」とも言うべき「珈琲放浪記」が続いたが、今回で一段落といったところか。年内に「今年出会ったドキュメンタリー」を発信したら、来年の『越境するサル』について考えるとしよう。3月の上映会「ドキュメンタリー最前線 2017」については1月中に発信したいが、そのほかは未定。




(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。



2016年12月7日水曜日

【harappa Tsu-shin】キッズ・アート「Viewing+創 inヒロロ」♪


12月3日・4日に開催されていたキッズ・アート「Viewing+創」inヒロロの様子をご紹介します♪

ワークショップや映画上映など様々な催しがありましたが、
harappaでは子どもたちの作品の展示をお手伝いしました♪

こちらの展示会場はヒロロ3階のイベントスペースです。

特別支援学級や学校に通う子どもたちが、たくさんの作品を出展してくれました♪

作品の形状もテーマも自由!


グループで大きな作品を作ってくれた子どもたちもいました♪

個人的に一番好きな作品でした。
カエルがなんとも愛らしいです。

子どもたち一人ひとりの感性を楽しめる作品展示でした♪

こちらは1階のエスカレーターの展示の様子です♪

「好きな歌詞と私のイメージ」シリーズです♪

歌詞のチョイスが渋いですね♪

手ぬぐいの作品もありました♪

2階エスカレーターの展示です。

ねぷた絵がカッコイイですね。

4階エスカレーターの展示。

「みらいのおうち」シリーズ♪


週末のヒロロでの開催ということで、たくさんの方にご覧いただけたのではないでしょうか?
今回、子どもたちの作品をたくさんの人に見てもらえるお手伝いができて良かったです♪




(harappaスタッフ=太田)


【harappa Tsu-shin】harappa映画館「ミステリアスな男たち&女たち」開催しました♪

みなさん、こんにちは!
harappa通信は久しぶりな気がします。
あっという間に寒くなったと思ったら、
あっという間に年末ですね、、、


さて、先週末は毎年恒例のharappa映画館が開催されました♪
今回のテーマは「ミステリアスな男たち&女たち」
何やら気になるテーマですね。。。

上映会当日はお天気にも恵まれ、
たくさんのお客さまにご来場いただきました♪

上映作品は、
「東ベルリンから来た女」
「ローマに消えた男」
「アクトレス ~女たちの舞台~」
の3作品でした。
3作品全てご覧いただいたお客さまも多く、
とても嬉しく思います♪

会場でも予告編が流れましたが、
次回のharappa映画館は3月4日(土)!!
ドキュメンタリー作品3本を上映予定となっております。
詳細は後日、harappaのHP等でチェックしてください。

次回のharappa映画館も皆さまのご来場お待ちしております♪





(harappaスタッフ=太田)


2016年12月6日火曜日

【越境するサル】№.152 「珈琲放浪記~東京、湯島から本郷三丁目へ~」(2016.12.4発行)

先月、「大人の休日」で東京とその近辺を旅した。妻と一緒に娘一家の家を訪れるのが主たる目的だったが、例によって美術館や博物館をまわり、さらにワイナリーとビアホールに足を延ばし、結局観光を満喫した。そして最終日、ひとりで上野から御徒町へ向かい、湯島方面まで歩き、ある喫茶店にたどり着いた。

 
    「珈琲放浪記~東京、湯島から本郷三丁目へ~」

  湯島天神を左に見て、坂の道をしばらく歩く。すでに本郷三丁目、その店はあった。「TIES(タイズ)」、「Old beans coffee & Hand made cake」とある。店の前と店内入り口付近にはケーキを買い求める数人の客がいたが、幸いなことに喫茶部分はすいているように見えた。カウンターの奥に座り、メニュー表をじっくり眺めてから、おもむろにレアチーズケーキとマンデリンを注文する。自家焙煎の珈琲は20g110㏄、ネルドリップで抽出。マンデリンは期待通りの味わい。濃厚かつ妥協なき苦さだが、すっきりとしたのど越しに満足。これも水準をはるかに超えているレアチーズと交互に味わいながら、いつのまにか飲み干してしまった。この日ここまで珈琲を我慢してよかった、と素直に思った。

   この旅では、毎日美味い珈琲にありついた。

   1日目は、上野駅から御徒町「カフェ・ラバン」に直行。前回の訪問で気に入っていた「フレンチブレンド」と、高い評判のサンドウィッチで昼食を済ませ、「マンデリン」100gを購入。その後、御徒町駅ガード下の「2k540 AKI-OKA ARTISAN」で工芸品を物色し、上野公園へ。東京都美術館「ゴッホとゴーギャン展」を堪能し、池袋経由で娘一家宅へ。

   2日目は、中央本線新宿発特急「かいじ」で山梨県勝沼ぶどう郷へ。笛吹市一宮町の「ルミエール」ワイナリーのレストラン「ゼルコバ」でランチ、「光甲州」(白)と「シャトールミエール」(赤)の2種類のワインを楽しむ。その最後に出されたのが、山梨県韮崎市で熟成された「コクテール堂」のエイジングコーヒー。レストランで美味い珈琲に出会うというのは、ちょっと得をした気分だ。

   3日目は、娘一家とともに半日近く「恵比寿ガーデンプレイス」で過ごしたが、恵比寿三越地下1階「宮越屋珈琲」で飲んだエスプレッソは本当に美味しかった。エスプレッソ初心者にもわかりやすいコクと苦み、しかもたっぷりの量。さすが札幌。「宮越屋珈琲」は、札幌でも東京でもはずれがない…この日は帰り道、中村橋駅付近の自家焙煎珈琲豆販売店「まめせん珈琲」で「まめせんブレンド」と「トラジャ」(もちろんどちらも深煎り)を購入。どちらも有名店と比べても遜色ない味わい、しかもリーズナブル。

   そして、最終日がこの「TIES(タイズ)」だ。

   何やら2杯目が飲みたくなって、もう一度メニュー表を見せてもらう。オールドビーンズ珈琲、紅茶、アイス珈琲等々選択肢は豊富だが、やはり何かストレート珈琲が飲みたかった。そして目に留まったのがイブラヒムモカ(マタリ)の深煎り。モカの深煎りは今年いくつかの店で出会い、その都度新鮮な感動を与えてもらっていた。しばらく待って、1杯目とは違う薄手で小ぶりのカップで出されたイブラヒムモカは、もう絶品と言うしかない味わいだった。濃厚でコクがあるのはもちろんだが、甘味というか何やら色気を感じてしまった。途中から砂糖を少量加えて味の微妙な変化を楽しみ、2杯目の珈琲を堪能した。まだ味わってみたいメニューはたくさんあるが、今日はこれで満足。近所で蕎麦でも食べて、それから湯島天神をのぞいて、上野に戻ろう。東京国立博物館の特別展「平安の秘仏」を鑑賞する時間も確保しなければ。

   こうして、今回も満足すべき「珈琲放浪」だった。次の東京(もう再来週だが)も「TIES(タイズ)」からスタートしたいと思い始めているが、どうなることだろう。


<後記>

   前号(№151)紹介したharappa映画館「ミステリアスな男たち&女たち」は、12月3日、のべ244名の観客を動員して終了した。観客の反応も良好で、次のharappa映画館にも期待がかかるところだが、プレッシャーも若干あり。

   次号は、クラブワールドカップ決勝観戦の旅。というより、その際の「珈琲放浪」の記録。



(harappaメンバーズ=成田清文)

※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。

2016年11月7日月曜日

【越境するサル】№.151「ジュリエット・ビノシュの“時間”~上映会への誘い~」(2016.11.6発行)

来月、12月3日、harappa映画館は「ミステリアスな男たち&女たち」と題して3本のヨーロッパ映画を上映する。『東ベルリンから来た女』・『ローマに消えた男』・『アクトレス~女たちの舞台~』、すべて高い評価を得ている作品だが、その中でも『アクトレス~女たちの舞台~』は私にとって特別な映画である。主演のジュリエット・ビノシュは二十数年前『存在の耐えられない軽さ』に出演したが、それ以来私は彼女の演技に魅了され続けてきた。けっして熱烈なファンではなかったが、私にとってその存在感は別格だった…

 
     「ジュリエット・ビノシュの“時間”~上映会への誘い~」

  『存在の耐えられない軽さ』(1988 フィリップ・カウフマン監督)は、チェコ生まれのフランス作家ミラン・クンデラの同名小説を原作とするアメリカ映画である。1968年頃、チェコスロヴァキアの「プラハの春」の時代を背景とするこの映画の主人公は、プラハの脳外科医トマシュ(ダニエル・デイ=ルイス)とカフェのウェイトレスをしながら写真家を目指すテレーザ(ジュリエット・ビノシュ)。ふたりは同棲生活を経て結婚するが、テレーザはトマシュの愛人たちとの関係に傷つき苦しむ。そして1968年8月、ソ連軍のチェコスロヴァキア侵攻の夜がやってくる…ジュリエット・ビノシュ演ずる純情でかつ情熱的なテレーザ、その姿はしっかりと心に焼き付いた。
  その後私は、ビノシュがドニ・ラヴァンと共演した『汚れた血』(1986 レオス・カラックス監督)・『ポンヌフの恋人』(1991 レオス・カラックス監督)の2本にのめり込むが、特に彼女主演の映画を意識することは少なくなった。このあと名実ともに大女優の道を歩んだ彼女の作品と、意識して向き合ったのはそれから20年後、『トスカーナの贋作』(2010 アッバス・キアロスタミ監督)の出現によってだ。イタリアの小さな村で出会った男女が長年連れ添った夫婦を演じるという、虚と実が入り混じったいかにもキアロスタミ的なこの作品の中のビノシュが、とても輝いて見えた。まるで『存在の耐えられない軽さ』のテレーザのように。そして、今回上映する『アクトレス~女たちの舞台~』だ…

  『アクトレス~女たちの舞台~』(2014 オリヴィエ・アサイヤス監督)の主人公は女優マリア・エンダース(ジュリエット・ビノシュ)。彼女は、マネージャーのヴァレンティン(クリステン・スチュアート)とともに特急列車でチューリッヒに向かっている。新人女優だった彼女を発掘した劇作家ヴィルヘルム・メルヒオールに代わって、彼の功績を称える賞を受け取るためだ。その途上、メルヒオールが亡くなったという知らせが入る。授賞式当夜、新進演出家のクラウスが、彼女を世に送り出したメルヒオール作『マローヤのへび』のリメイクへの出演を要請する。マリアの役柄は、かつて自分が演じた20歳の主人公シグリットではなく、シグリットに翻弄され自殺する40歳の会社経営者ヘレナ役だった。そしてシグリット役には19歳のハリウッド女優ジョアン・エリスが決まっていた…
  スイスの美しい景観を背景に(この景観もまたテーマにつながる)、マリア、ヴァレンティン、ジョアンの3人を軸にした葛藤のドラマが演じられていくのだが、何度かチームを組んできたアサイヤス監督とビノシュがこの映画で試みたのは「過ぎゆく時間」に関するアプローチだと言う。その「時間」と対峙する女優として、ビノシュは何とふさわしいことだろう。まるで彼女自身の半生のようだ。



  「ミステリアスな男たち&女たち」、そのほかの2本についても紹介しよう。
  
  『東ベルリンから来た女』(2012 クリスティアン・ペッツォルト監督)。1980年、旧東ドイツの田舎町の女性医師バルバラは、秘密警察に監視されながら、恋人の待つ西側へ密出国する準備を進めていた。同僚の医師アンドレは彼女に惹かれるが、バルバラは頑なな態度を崩そうとしない。しかし、アンドレの誠実な姿に彼女の心は揺れ動いていく。そして彼女を必要とする患者たちの存在も、彼女の出国の決意を鈍らせる…2012年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。




  『ローマに消えた男』(2013 ロベルト・アンドー監督)。イタリア最大野党を率いる大物政治家エンリコが、国政選挙を前に突然の失踪を遂げた。「ひとりになる時間がほしい」、彼の書き置きを見た腹心の部下アンドレアは、失踪の事実を隠し、エンリコの双子の兄弟ジョヴァンニを替え玉に起用する。この窮余の策で替え玉となったジョヴァンニは、その弁舌によってメディアと大衆を魅了していく…2013年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)最優秀脚本賞・最優秀助演男優賞受賞。
  

  
 
 フランスから、ドイツから、イタリアから、私たちに届けられた魅力的な映画たちを、ともに味わいたいと思う。

  日程等は次の通り。

12月3日(土) 弘前中三8F・スペースアストロ

「ミステリアスな男たち&女たち」
      10:30   『東ベルリンから来た女』(105分)
      13:30   『ローマに消えた男』(94分)
      15:45   『アクトレス~女たちの舞台~』(124分)

3回券 2500円(前売りのみ)
1回券 前売 1000円   当日 1200円  
会員・学生 500円 
 ※1作品ごとに1枚チケットが必要です。

チケット取り扱い                                                       
    弘前中三、紀伊國屋書店、まちなか情報センター、弘前大学生協、
    コトリcafe(百石町展示館内)

詳細は、次をクリックせよ。


<後記>

   ひさびさの「上映会への誘い」である。次のharappa映画館は来年3月、「ドキュメンタリー最前線」を予定している。
 次号は「『越境するサル』的生活」といきたいところだ。



(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。

2016年10月17日月曜日

【越境するサル】№.150「珈琲放浪記~東京、珈琲の“聖地”へ~」 (2016.10.14発行)

映画の試写会のため、東京を訪れた。わずか2泊3日の滞在だが、この機会を逃さず、上野界隈・台東区の「気になる」珈琲店を3つほど「放浪」した。映画と、そしてもうひとつの目的であった美術館巡りの合間を縫って、私にとっての珈琲の“聖地”を目指して、ひたすら歩く…

 
    「珈琲放浪記~東京、珈琲の“聖地”へ~」


1日目 台東区下谷「北山珈琲店」 

   上野駅から鶯谷方面に歩くこと10分弱、入谷駅から500メートルほどの所にその店はあった。ひたすら珈琲の味を追究し、「珈琲を飲む為だけの店」を標榜。店内では「待ち合せ」・「商談」・「読書」・「事務処理」・「携帯」等すべて禁止、滞在時間も30分以内…こう書くと堅苦しい店のようだが、珈琲を味わうのが目的の者には大して苦にならない。前述の禁止事項をしっかりと認識している客に対しては、きわめて親切な店なのだ。
   さて、以前一度だけ訪れたことがあったが、その時は真夏でアイスコーヒーを注文してしまった。それはそれで美味しかったのだが、今回はぜひ熟成3年あたりのホットが飲みたかった。メニューをじっくりと眺め、迷わず「マンデリン(3年熟成)」を注文。しばらくして運ばれてきたやや小さめのカップを、ゆっくりと口まで持っていく…突き抜けるような苦み、ふくよかな香り、そして普通のエスプレッソが薄く感じるほどの圧倒的な重厚感。まず三口ほどそのまま味わい、その後砂糖を少量入れてゆっくりと口の中をころがす。徐々に、落ち着いて味わえるようになった。しまった。さっき、見栄を張ってミルクは不要と、断ってしまった。最後に、ミルクを入れて、しかもかき回さないで味わう、という楽しみ方もあったのだ…次回は、素直にミルクで味わおう。そして別な銘柄にも挑戦しよう。「北山珈琲店」恐るべし…
  
   鶯谷のホテルでチェックインを済ませ、歩いて8分ほどの上野公園へと向かう。しばらく散策し、上野駅とその近辺にも足を運んでみる。次の日のためのチェックなのだが、歩いていると妙に心が落ち着いてくる。このまま浅草あたりまで行ってみようかとも思ったが、ホテル近くで見つけた気になる「やきとりや」のことを思い出した。
   鶯谷駅南口から1分、歩道橋を渡って階段を下りる。「ささのや」、串焼き(「焼き鳥」とは言わないようだ)1本70円の店。人々が、老いも若きも、男も女も、群がって串焼きを食べ、あるいは持ち帰り、とにかく楽しんでいる。常連さんの店だろうなと思いながらも、店に入ってみる。皿を受け取り、自分で焼き台の串焼き(タレ)を選ぶ。ハツ・ナンコツ・ネギマ・レバー…これに生ビールで、夕食は済ませよう。鶯谷の夜は更けていく…(この店、BS-TBSの『酒場放浪記』と『おんな酒場放浪記』で紹介された店だった。道理で既視感があったわけだ。)

2日目 台東区上野「カフェ・ラパン」

   御徒町「カフェ・ラパン」で朝の珈琲を飲みたい。今回の旅行が決まってから、急にその考えは大きくなった。いつも上野を東京旅行の拠点としていた私だが、落ち着いて珈琲を味わう店を見つけられずにいた。人々が普通に食事をとり、会話を楽しみ、新聞を読み、そして珈琲のメニューには深煎りのブレンドがある…まさに昭和の喫茶店のような店で午前中を過ごしたかった。昼、東京メトロ銀座線で新橋に向かう予定だったので、御徒町界隈というのも都合がよかった。
   上野広小路を彷徨うこと15分、何度か道を間違えた末、ビルの谷間に「カフェ・ラパン」を発見した。想像通りの外観、そして店内に入るとこれも期待通りのカウンター。ブレンドの焙煎の度合いを確かめ、フレンチブレンドとチーズケーキを注文する。ジャズが流れる店内の雰囲気も、店の人の客との距離感も、深煎りの珈琲も、甘過ぎないチーズケーキも、すべてちょうどいい…次に訪れた時は、軽い食事、サンドイッチあたりも試してみよう。そう思いつつ、店を出た。

   昼過ぎ、リオ五輪・パラリンピックパレードの余韻が残る銀座線新橋駅から、銀座8丁目高速道路地下「TCC試写室」を目指す。今回の旅行の目的であった映画『秋の理由』(福間健二監督)マスコミ試写に参加するためだ。この映画に出演している弘前出身の映画監督木村文洋との縁によって実現した試写会参加だったが、いずれ木村監督の新作(完成間近という)と今回鑑賞した『秋の理由』を一緒に弘前で上映したい、そう思った。
   詩人としても著名な福間監督は、私が追い求めてきた作家佐藤泰志と親交が深く、また佐藤文学の最大の理解者でもある。試写会終了後、福間夫妻から佐藤泰志と今回の映画について多くの話を聞くことができたが、この旅行一番の収穫となった…

   夕刻から、六本木「国立新美術館」で開催中の「ダリ展」、さらに渋谷「元祖くじら屋」で「はりはり鍋」と「さえずり」を堪能した。こうして充実の2日目を終え、あとはホテルに戻って眠るだけだと思われたが、帰り道、再び串焼きのタレのにおいに誘われて、鶯谷「ささのや」に入ってしまった。串焼き、恐るべし…

3日目 台東区日本堤「カフェ・バッハ」

   朝、上野駅のコインロッカーに荷物を預け、山手線・中央線を乗り継ぎ、国分寺駅を目指す。府中市美術館で開催されている「藤田嗣治展」を訪れること、これがこの日の午前中の目標だった…雨の中、ようやくたどり着いた「藤田嗣治展」は、初期から晩年に至るまでの作品が網羅された本格的なものだった。長い間、間近で鑑賞することを熱望していた戦争画「アッツ島玉砕」とも出会えた…

   鶯谷に戻り、地図を頼りに今回の旅最後の目的地「カフェ・バッハ」を目指して歩き始めた。「カフェ・バッハ」は「東京珈琲四天王」・「自家焙煎珈琲の御三家」などと呼ばれる、世の珈琲好きたちの“聖地”のひとつである。
   言問通りから昭和通り、三ノ輪から明治通り、日本堤、ひとつひとつ地名と道を確かめながら、小一時間ほどゆっくりと歩き、通りに面した店「カフェ・バッハ」を発見する。近くに「泪橋」の交差点、玉姫公園…そう、ここはあの『あしたのジョー』の舞台となった地だ…
   店内は、思っていた以上に明るく、テーブルも椅子も昭和を感じさせるが決して古びた印象はない。そんな店内を5人ほどのスタッフがテキパキと動き回る。注文したのは「バッハブレンド」、店のスタンダードである。中深煎りといったところか。上品で、のど越しがよく、飽きが来ない味だ。長い間歩いたこともあり、ようやく喫茶店でくつろいだという満足感が体中に広がる。
   しかし、もっと深煎りの豆も試したかった。メニューを見て、かなり深い煎りの「ケニアAA」をお土産に購入することにした。最近、複数の店で体験し、興味を持っていた銘柄だ。自宅用に100g、職場用に100g、もちろん豆のまま。これでしばらく「バッハ」を楽しめる。

   こうして、“聖地”巡礼はひとまず終了。数日後、職場で「バッハ」の「ケニアAA」を皆にふるまったが、ほどよい苦みと優しい酸味が高い評価を得たことを報告しておく…

<後記>

   例によって、速報のような、珈琲と出会った記録である。珈琲以外の出会いについては、醸成されて、いつかこの通信の中で語られるだろう。
   次号、この4月以降の日々についてまとめて語りたいと思っているが、はたしてどうなるか… 




(harappaメンバーズ=成田清文)
※「越境するサル」はharappaメンバーズの成田清文さんが発行しており、
個人通信として定期的に配信されております。